崖っぷち結婚相談所 Vol.19

崖っぷち結婚相談所:不完全燃焼の恋。運命の男に感じる、奇妙な違和感の正体とは

典型的な結婚できない女、杏子、32歳。

慶應大学卒業後、丸の内の某外資系金融でセールス職に就き、年収は2,000万円を優に超える。

美人だがプライドが高くワガママな彼女は、男運が悪く全くモテない。さらにハイスペックゆえ、男が近寄りたくない女ナンバーワンとまで噂されている。

婚活に危機感を持ち始めた杏子は、結婚相談所に登録した。婚活アドバイザーの直人からアドバイスを受け、少しずつ男女のノウハウを学んでいく。しかし、婚活は甘くはない。なかなか出会いに恵まれず元彼からも屈辱を受けてしまう。しかし、めげずに臨んだ4回目のマッチングで、とうとう運命の人に出会ってしまった...?


.........なんか、変だったわ......。

杏子は、何とも形容し難い不完全燃焼感に苛まれていた。

認めたくないのだが、『グリルうかい』での松岡とのディナーは、帝国ホテルの『ランデブーラウンジ』でお茶をしたのと同様、正直、あまり盛り上がらなかった。

しかし、お互いに好感を持っているのは、間違いないはずなのだ。

それは、いつもの勘違いでは決してない。

普段は前のめりがちな杏子ではあるが、すでに散々男たちとの場数を踏んできた。自分にそれなりの好意を感じてくれる男性くらい、もう肌で感じ取ることができる。

松岡は杏子に敬意を払い、細やかに気遣い、おそらく交際を視野に入れながら、慎重に時間を過ごしてくれた。それは、杏子も同じである。

上智大学出身で親の経営するスポーツジムを継いだという彼は、育ちも良く、パーフェクトな超優良案件に違いない。高校時代にはイギリス留学経験もあるらしく、スマートな紳士さも板に付いていた。

しかも、彼は六本木一丁目に住んでおり、神谷町に住む杏子とは、偶然にもご近所さんだ。

それでもやはり、何かが妙だった。

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