みりんと俺 Vol.1

みりんと俺:真面目だけが取り柄の理系SEが彼女にフラれて気づいた「モテ」願望

ノー残業デーのいつもと変わらないある日、彼女からの衝撃告白…


「じゃあ、荷物は平日に私が健太郎の家に行ってまとめて段ボールで送っちゃうね。」

電話越しの典子の声は一刻も早く切りたそうな感じで、こうして俺と典子の5年にわたる交際は呆気なく終わりを告げた。

別れを告げられたのは突然だった。水曜日の19時。この日はノー残業デーなので、典子が夕食を準備してくれていた。大手飲料メーカーに勤める典子は料理上手で、煮物と魚、おひたしやらきんぴらなんかの細々とした副菜までいつも手際よく作ってくれていた。


―美味しいなぁ。

ちょうどいい温度の味噌汁をすすりながら、いつも通り幸せな気分だった。言葉にはしないがいつも顔に出る性分で、この後別れ話をしようとしていた典子の気持ちなんて知らなかったから、かなり間抜けな表情をしていたと思う。

「実はね、私好きな人ができたの。だから健太郎......


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