代々木上原の女 Vol.6

代々木上原の女:東京タワーで気付いた本当のきもち。気心知れた元彼との復縁はアリなのか?

埼玉県出身のユリ、27歳。大手損害保険会社でエリア総合職として勤務。強い自立心を持った彼女が、彼氏と同棲していた港区を抜け出し、代々木上原という地で、迷い、葛藤しながら自分らしさを取り戻す。

代々木上原での生活を始め徐々に自分らしさを取り戻すユリだったが、将来への不安は尽きない。転職サイトに登録したり、会社の先輩・綾子に相談して強烈なダメ出しをされたり、何とか打開策を見つけようとする。

そんなとき、元彼・と代々木上原会で知り合った二階堂から連絡があって…?


昔の男からの連絡は、弱っているときに一番危険な処方箋?


1年以上何もなかったユリの恋愛が、突然動き出した。

浮気発覚後にブロックしていたはずが、LINEのIDを新しくしたという聡と、先週出会ったばかりの二階堂。よりによって、同じタイミングで2人からの連絡だ。

聡は付き合っていたときからは想像できない他人行儀な文面で、ユリの機嫌を少し伺っているようだ。その文面からは、お調子者な彼が猛烈に反省している様子が見てとれた。

「どうしても一度会って、謝りたいんだ。今週末、時間取れないかな?」

ユリはしばらく悩んだ後、誘いを受けることにした。先週の綾子からのダメ出しが効いているのかもしれない。自分を好きだった昔の男。少しでも自分を肯定的に捉えてくれる人に会いたい。そんな気持ちが働いていたのだろう。

アンダーズ東京での夜景デート。1年ぶりに会う元彼は…?


結局週末ではなく、平日の木曜日に会うことにした。元彼とはいえ、週末わざわざ会うのも気がひけたし、金曜日だと平常心が保てないかもしれない。木曜日だったら、例え気分が落ち込んでも取り返しがつく。

その日は聡がアンダーズ東京の『ルーフトップバー』を予約してくれていた。時刻は21時。相変わらず仕事は忙しいようだ。

1年ぶりの聡は、少し頬が削げて引き締まっていた。外資系証券会社のトレーダーという仕事の厳しさゆえ、健康への意識は歳を重ねるごとに強まっているようで、日々のトレーニングは欠かさないようだ。

開口一番、土下座する勢いで聡は謝ってきた。

「ユリ、あのときは本当にごめん!つい出来心っていうか…。」

その姿にユリは思わず、「もういいよ」と言って頭を上げさせた。あのときは確かに深く傷ついた。それでも、もう1年以上も前のことだ。

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