代理店女子マリア Vol.10

代理店女子マリア:最終話!OG訪問というタイムマシーンに乗って・・・

港区の大手広告代理店で、営業として働くマリア、29歳、彼氏なし。

転職先から内定をもらったマリアだが、競合プレゼンがあるため迂闊に返事もできず、どっちつかずの日々が過ぎていた。そんな時、深夜のオフィスで家出部長から聞いた言葉に、気持ちが救われたような気がした。

30歳目前、マリアが出した答えとは・・・。


指名されてなんぼ、社内の売れっ子たち


最終電車を乗り過ごす、忙しい日々が続いていた。

準備を進める競合プレゼンのチーム構成は、新入社員時代にお世話になったコピーライター・吉本を含む、社内でも名の知れた売れっ子たちばかり。

社内外問わず、バイネームで仕事を取ってくる売れっ子たちにとって、「負け」は彼ら自身のみならず、全社の評判に関わる大きな痛手。そんなことは絶対に許されないのだ。

※バイネーム・・・「指名」のこと。名前が世の中に知れたり、クライアントから評価を受けると、案件ごとに指名で仕事が入ることがあり、代理店の人間にとっては一つのステータスとなっている。

自らアサインした以上彼らの面子をつぶすまいと、マリアは頑張って仕事をこなすのだが、ここ最近のキャリアへの迷いも相まって、いま一つ調子が出なかった。

「頑張る」で評価されるのは学生まで


振り返ってみると、この夏は散々だった。

仕事は中途半端、大切な同期も会社を去り、恋にも破れた。中途半端に始めた転職活動も、結局内定の連絡を保留にしたまま。

そんなぬるま湯に浸るマリアに反して、この業界で成果を出すと決めた売れっ子たちの仕事ぶりは、それはもうとんでもなく情熱的で、マリアは毎日のように厳しい指摘を受けていた。

「レスポンス遅いよ、もっと危機感持って連絡くれないと」

「企画書のこの部分のデータ、ほしいんだけど探せる?明日まで」



挙げ句の果てには、会社一信頼を寄せる吉本からもとどめを刺される始末。

「なんてゆうか、もっとちゃんとやる子だと思ってたんだけど」


本気で勝負する人間を前にすると、中途半端な根性はすぐに見透かされてしまう。



自分なりに頑張ってはいた。

揺れ動く心を必死に安定させて、最終電車を逃しても仕事を頑張った。しかし、かけた時間や想いの強さなど、目には見えない尺度で評価されるのは学生まで。

「頑張る」とは、仕事においてなんの評価にも繋がらない。

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