2016.02.19
SPECIAL TALK Vol.17バングラデシュで効率的な栄養摂取について考える
金丸:高校卒業後は東京大学に進学されます。当時は国連に興味があったそうですが、きっかけは何だったのですか?
出雲:国連も正直に申し上げますと、きっかけは漫画なんです。当時大人気だった「機動戦士ガンダム」が大好きで……。
金丸:意外なお答えですね。どのように国連に繋がるのでしょう(笑)。
出雲:ガンダムのなかに“地球連邦軍”というのが出てくるのですが、その音の響きが非常にカッコいいなと思いまして、語感が似ている国連に興味を持ちはじめました。
金丸:確かに似ていますが(笑)。ザリガニにしても国連にしても、出雲社長は漫画やアニメからインスピレーションを受けて、すぐ行動に移されていますね。大学1年の夏休みには、バングラデシュに行かれたそうですが、なぜバングラデシュだったのですか?
出雲:私にとって初めての海外旅行だったのですが、せっかくなら人が行かないところに行こうと思ったんです。それに途上国であれば国連への信頼が厚く、尊敬されているはずだと。
金丸:実際に行ってみて、どうでしたか?
出雲:衝撃を受けました。当時バングラデシュは世界最貧国のひとつで、国民一人当たりの所得が1日1ドル以下。お腹を空かせた子どもたちがいっぱいいるだろうと思っていたのですが、実際は飢えている子どもは一人もいなくて、日本人以上にお米を食べていました。バングラデシュはお米が豊富で、消費量は日本人のおよそ3倍と言われているんですよ。なので飢え死にはしないんですが、逆にお米しかない。肉も魚もにんじんも玉ねぎもまったく手に入らない。具のないカレーを毎日少しずつごはんにかけて食べていました。
金丸:戦後の日本のようですね。
出雲:だからお腹はいっぱいでも栄養失調の人が大勢いて、1,000人中250人の子どもが栄養失調だと聞きました。それで「この子たちの役に立ちたい、喜んでもらいたい」と思い、栄養を効率的に摂取する方法を考えるようになりました。
金丸:そこからミドリムシにたどりつくのですね。
出雲:栄養失調というのは、ビタミンや不飽和脂肪酸、ミネラルなどが不足して起こります。これらを補うのは野菜や果物や魚なんですが、現地で調達するのは非常に難しいので、手軽に栄養素を取れるものはないかなと。
金丸:サプリメントではダメなのですか?
出雲:もちろんサプリメントでも補えますが、必要な栄養素を満たそうと思うと、かなりの数が必要になります。それに合成品にはやはり限界があって、自然の食べ物で補うことが理想なんです。そうやって探していくうちに出合ったのが、ミドリムシでした。ミドリムシは「植物であり動物でもある」という唯一の生き物で、両方の栄養素を持ち合わせています。そして食料にもなれば燃料にもなり、地球温暖化を防ぐ役割を担うこともできる。こう書かれた論文を見つけたとき、「これだ!」と確信しました。
金丸:それで帰国後、文科三類から農学部に転部されたのですね。
出雲:農学部でミドリムシの研究が行われていたので、すぐに転部しました。就職先もミドリムシ関連の会社を考えていたのですが、いざ就職活動をしてみると、どの企業もミドリムシの事業はやっていなくて。当時はまだミドリムシを大量に培養する技術がなかったため事業化が難しく、なかには「ミドリムシよりも乳酸菌やアミノ酸の研究をした方が、世の中の役に立つんじゃないの?」という企業もありました。そこで「難しくて誰もやらないなら、自分がミドリムシをやろう」って決意したんです。
金丸:出雲社長の気持ちが起業に向いていった背景には、大企業がどこもミドリムシに手をつけていなかったということが大きいのですね。出雲社長は大学在学中にスタンフォード大学に短期留学されていますが、これも起業に影響しているのでしょうか?
出雲:そうですね。辛くても辞めなかったのは、スタンフォード大学の経験があったからと言えます。日本では優秀な人が起業するイメージが強いですが、留学中、こう言っては失礼ですけど、周りにいたそれほど優秀でないメンバーがどんどん起業していきました。なかでも親友の二人がベンチャーを立ち上げ、見事にイグジットさせたことは大きかったですね。いまは自分たちが本当にやりたかったチョコレートの店を経営していて、雑誌の「フォーブス」に掲載されるまでになっています。学生の頃は二人とも起業の“き”の字も知らなかったので、「あの二人ができるんなら、僕だってできるでしょ」という思いがずっとあって。心が折れずに突き進むことができました。
金丸:周りに実際に起業した人がいると、イメージが湧きやすいですよね。私も海外の知人でクラブ活動のように簡単に起業し、すぐに辞めて、という人が大勢います。そういった環境が周りにあるかどうかは、本人の起業へのハードルを押し下げるという意味で、非常に重要です。
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