精神科医エレナ Vol.5

精神科医エレナ:「ハゲ」は男の最大の武器!今宵もエレナ先生がトンデモ論を連発?

慌ただしく、そして力強く、東京を生き抜く男たち。

だがしかし、東京で暮らす男は皆、煌きながらも、密かに心の闇を抱え戦っている。

いくら頑張っても果てしなく渇き続けるそんな東京砂漠に、一滴の雫の如く、彼らの闇を癒す存在がいた。

エレナ、29歳。石川県出身。職業、精神科医。

これは、彼女が東京の男たちの心の闇を解決していく物語である。

美人形成外科医の悪友サトコから強烈な結婚宣言を受けたエレナ。その後国産をこよなく愛する「崇成」、ピュアすぎる恋愛観が仇となった「ケイ」と会ってきた。今日、経営者の「忠之」と楽しい夜を過ごしていると、大男の「輝夫」が乱入してきて…?


輝夫、46歳。愛知県出身。職業、ランプの魔人?


「美人精神科医のお嬢さんに、乾杯!」

『尾崎幸隆』からほど近いバー『kaion 701』に場所を移した一行。外の暑さで顔のテカりを増した輝夫は、腹式呼吸を駆使した無駄に良い声で朗々と乾杯の音頭をとった。隣で飲んでいる若い男女の冷ややかな目線など、どこふく風だ。

その明るさ、前向きさには好感を持たずにはいられないが、どこか滑稽でもある。見たことのあるキャラクターだ、なんだっけ…

思い出した、ディズニーに出てくるランプの魔人だ。胸を張って表情豊かにポジティブに生きているところが、そっくりだ。

目の前の大男が魔人にしか見えなくなってエレナがフフッと笑うと、彼はますます気をよくした。

「忠之とはね、中高の同級生なんだ。東海高校って知ってる?」

東海高校は、「今でしょ!」で有名な予備校講師も出身だという名古屋一の名門中高一貫男子校だ。エレナの友人にも出身者が何人かいたが、彼らには東京や大阪近郊の中学受験経験者のようなギラつきがなく、呑気な気楽さがあって付き合いやすかった。出身高校は、大学以上に人格に影響するとエレナは思っている。

底抜けに明るい輝夫。バカバカしいと思っていたエレナもだんだん楽しくなってきて?


「見て、これが僕のワイフ。」

差し出されたiPhoneには、顔の大きさも体型も輝夫そっくりの巨大な女性と、彼女の腰に窮屈そうに腕を回す彼の姿があった。二人とも海外コミックに出てきそうな満面の笑みだ。

エレナは無性に楽しい気持ちになってきた。「輝夫がいると場が華やぐ」と忠之もケラケラ笑っている。

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