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商社マン優作 Vol.1

商社マン優作:商社マンは本当に無敵カードなのか?20代商社マンの勘違い

社内では欠かせない新入社員チェック


「外資金融ほどお金がないからダメって言われちゃってさ。」

「優作さん、そんな変な女こっちから願い下げですよ!その子面白いですね。」

デートの翌々日 、 麻里子に一部始終を話すと大笑いしている。

新入社員が入ってくると、同期内での会話は必ず、誰が可愛いくてどの子がタイプか、という話になる。(上司とも同じようなことを話すので、何年経っても商社マンの気質は変わらないのだろう。)

総合商社に入ってくる女性は2パターンあり、バリキャリ狙いの帰国子女や英語が好きな強め女子が集まる総合職、そして商社マンとの結婚を狙っている事務職だ。

「俺はやっぱ奈々実だな。スタイル良すぎ。」

賢治は奈々実推しだったが、俺は麻里子しか目に入らず、密かにアタックしていた。

「今日何してる?ご飯でも行かない?」

元々よく話すタイプではない者同士、少しづつ距離を近づけていく作戦にした。ゆっくりと進む関係性。 麻里子と話している時間が好きで、居心地が良かった。


社内速報は突然に


しかし青天の霹靂とはこのことを言うのだろう。

「優作が気に入ってた麻里子 、お前の部署の花澤さんとあらぬ関係らしい」

「え、麻里子と花澤さん...!? 」

麗らかな水曜日の昼下がり、突然来た賢治からのメールを5回は見直した。

花澤さんは15個上の先輩で、かなりのやり手として社内でも有名だ。ブラジルのサンパウロでのエネルギープロジェクトで大成功を収め、最年少でマネージャークラスに上り詰めている。社内で知らない人はいない。しかも部署の先輩だ。

「俺、勝ち目なさすぎじゃん...」

それに加え、花澤さんは元CAの綺麗な奥さんと結婚し、二人も子供がいる。何で直ぐに噂話が光速のように早く伝わる社内で、麻里子はそんなバカなことをしたのだろうか。

信じられなかったし、信じたくもなかった。社内恋愛は多いけれど、なぜわざわざそこに行った...

男としてのプライドが崩壊した瞬間だった。

しかしこの時の俺は、商社マン人生を決定づける、さらなる衝撃的な辞令を知る由もなかった。

『MERSER CAFFE TERRACE HOUSE』
表参道という好立地の元、大きく開放的なテラス席が楽しめるカフェ・レストラン。昼は燦々と降り注ぐ太陽光が、また夜は照明を抑えたムーディーな店内と共にライトアップしたグレース大聖堂を眺めながら食事ができるため、20代を中心とした男女から人気を集めている。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。



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商社マン優作

ー総合商社に入れば、人生、一生安泰で勝ち組。ー

東京において、商社マンというのは一見、社会的ステータスの高い、万能なカードに見える。

しかし、果たしてそれは事実なのか?

商社という舞台には、外部からは計り知れない様々な人間模様があり、出世レースに関する嫉妬と憎悪に満ちた縦社会のプライド合戦も繰り広げられている。

早稲田大学商学部卒業後、大手総合商社に入社した優作。彼の商社マン人生は、薔薇色なのか、それとも?

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