東洋経済・東京鉄道事情 Vol.23

「最も儲けている地下鉄」はどこか、全国各都市の地下鉄「営業係数」を独自試算!

東京メトロ副都心線は5年間で劇的に営業係数が好転した路線だ(写真:tarousite / PIXTA)

全国の鉄道のなかで最も平均通過数量の多い鉄道は地下鉄である。地下鉄そのものが大都市の都心部に敷かれているうえ、高額な建設費の償還を考えて一定の輸送需要が見込める区間に敷設されるからだ。

そんな地下鉄の営業係数はどのくらいだろうか。全国の地下鉄について2013(平成25)年度と2008(平成20)年度とを比較し、合わせて平均通過数量という指標も用いて探ってみたい。試算の結果、100未満の数値、要するに営業利益を計上している路線がずらりと出そろった。さまざまな路線のなかで際だった特徴の見られるものを紹介していこう。

因みに、「営業係数」とは100円の営業収入を得るためにかかる費用を示した数値。100未満なら黒字、100を超えていれば赤字となる。「平均通過数量」は、路線1キロ当たり、1日にどれだけの人数を運んでいるかを示す数値。年間の旅客人キロ÷年間の営業キロで求められる。


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副都心線は丸ノ内線を上回る成績に

今回取り上げる地下鉄のなかで、最も劇的に営業係数が好転した路線は東京地下鉄の副都心線だ。2008年度の104・3に対し、2013年度は79・5となり、試算上ではあるものの、丸ノ内線や南北線をも上回る路線へと成長を果たした。

副都心線躍進の要因は平均通過数量を見ると一目瞭然だ。13万3552人(2008年度)から24万2735人(2013年度)へと1・8倍もの増加を示した。首都圏にゆかりのある人ならばおわかりのとおり、2013年3月16日に東京急行電鉄東横線との相互直通運転を開始したことによる輸送人員の大幅な増加がもたらしたものだ。

副都心線の開業は2008年度の中途となる6月14日であるので、1日当たりの輸送人員で比較してみると、2008年度は21万4669人であったところ、2013年度には47万6148人と、実に2・2倍に増えている。

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