クォーターラバー Vol.2

クォーターラバー: 逃げ切れない義母問題。強烈な義母を持つ御曹司と結婚はできるのか!?

強烈過ぎる義母の存在


広すぎる居間に通され、貴幸は楽しそうに義母と話している。居間にいた義父は貴幸に似て非常に穏やかで優しく、祥子に職業や出身、家族のことなど色々と聞いてきてくれた。

しかしその度に「そんな大学聞いたことないわねぇ。 」「福岡へ帰った方がいいんじゃないの?」義母の嫌味がチクチクと刺さる。

「我が家が製菓メーカーと知りながらお菓子持ってきて下さったの? 何を考えているのかしら?」祥子からの手土産を見ながら貴幸に大きな声で言ってくる。

まさか親御さんの会社だと知っていたら違う手土産にしていた。恥ずかしさと共に、悔しくて悲しくて泣きそうになる。しかしそんな祥子を見ていたにも関わらず、貴幸はまさかの無言を貫いた。

この空気に耐えられず、祥子はお茶だけご馳走になり、そそくさと家を出る。帰り際に義父は玄関まで見送ってくれたが、義母はそっけない挨拶だけで居間から出てこなかった。

貴幸に送っていくよ、と言われたが、ご家族との時間を楽しんで、と言い残しひとり寂しく電車で帰った。


それから1週間。

貴幸のLINEにも電話にもどう返していいか分からず、素っ気ない返事しかできなかった。強烈過ぎる義母に対する怒りとやるせなさもそうだが、それに対して何も言わない貴幸にショックを受けていたのだ。

結婚はクロスの関係が大事、と結婚している友人に聞いたことがある。

本人同士だけでなく、相手の親との関係も非常に大きな意味を持つのが結婚。その視点からすると、貴幸自身にも、クロスの関係になる義母との将来にも何の救いも見出せなかった。

そもそも一緒に過ごした3ヶ月の間になぜ一言も言ってくれなかったのだろうか? 貴幸の人間性にも疑問を持ち始めた。

その質問を彼にぶつけてみれば、「3ヶ月ってちょうど良い判断期間じゃない? 会社の決算とかも四半期で計算するし。しかも祥子はクォーターテストに合格したじゃん!」的外れなメッセージに愕然とした。

「短い間だったけどありがとう。楽しかったです。」何もいう言葉が無くなった祥子はそれだけ返信をして、スマホの電源を切った。



クォーター(3ヶ月)は判断するのに十分な期間なのだろうか。果たしてどれ位付き合えば正確な判断ができるのだろうか。義母の嫌がらせに、耐えることが正解だったのだろうか。

またしても祥子は、答えの出ないクォーターラブでしばらくもがくことになる。

【これまでのクォーターラバー】
Vol.1:四半期で相手の価値がわかる!? 30歳独身女とセンスのない男

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