東洋経済・東京鉄道事情 Vol.6

その差歴然、ユニクロが多い路線・少ない路線!どこに集中している?

池袋駅・駅周辺には計4店のユニクロがある(写真:ABC/PIXTA)

では、ターミナル駅で見てみるとどうだろうか。都区内の77店のうち、駅構内や駅ビル内、また駅から徒歩10分以内にある店舗を数えてみると64店ある。

都区内にある駅のうち、もっとも周辺にユニクロが集中しているのは池袋駅で4店。うち1店はJRの改札内にあり、その他の2店も駅に隣接している。最も駅から離れている「池袋サンシャイン60通り」店でも徒歩でわずか4分の距離にある。

ほかの山手線の駅ではどうか。山手線の駅は全部で29駅あり、同線の駅付近にあるユニクロの店舗は計25店だ。しかし、池袋駅付近に4店が集中しているように、駅や付近に店が存在する駅は新宿・高田馬場・池袋・大塚・秋葉原・御徒町・上野・東京・有楽町・大崎・目黒・五反田・渋谷の13駅だ。このうち、複数の店舗があるのは新宿・池袋・秋葉原・上野・東京・渋谷で、大ターミナルに集中しているのがわかる。

池袋に次いで多いのは、新宿・東京・渋谷の3店。次いで上野・秋葉原の2店だ。東京駅はいずれも地下街や駅構内など駅に直結した立地、上野駅も構内と高架下だ。渋谷は改札内の1店以外は道玄坂、スペイン坂とやや離れてはいるが、こちらも徒歩ですぐの距離だ。

ターミナル駅に数多く出店していることから、都内でもっともユニクロ充実度が高い路線は?と問われれば、答えは「山手線」ということになる。結局のところ、国民的ブランドだけに、どの路線がユニクロ率が高いか?と言われれば「利用者の多い路線」ということになりそうだ。

ユニクロ便利路線は中央線だ

それで終わってしまうのもつまらないので、今度は各ターミナルから放射状に延びる路線を見てみよう。

生活の利便性が高く人気の中央線沿線だが、ユニクロも沿線各駅に存在する(写真:Yokokaru/PIXTA)

郊外へ延びる路線のうち、都内でもっとも充実しているのは中央線(快速)だ。駅付近に店舗がある駅だけでも中野・荻窪・吉祥寺・武蔵境・国分寺・立川・八王子と、数駅おきにユニクロのある駅が連続。都心部を離れた郊外でも、駅周辺が地域の生活拠点となっている様子が浮かび上がる。利用者数も首都圏では特に多い路線だけに、車内を見回せばユニクロの服を着た人が何人もいるかもしれない。

次いで比較的多いのが京王線だ。仙川・調布・飛田給・府中・聖蹟桜ヶ丘と、おもに主要駅の付近に存在。並行する中央線と合わせ、都内西部・多摩地区には駅近のユニクロが多いということになるが、京王線の場合は付近を国道20号が通っており、自動車利用、鉄道利用ともに便利な立地であることも理由だろう。

いっぽう、ターミナル駅としては最も多くの店舗が集中する池袋を起点とする路線はどうかと見てみると、西武池袋線は練馬に駅近くの店舗があるものの、大泉学園や東久留米の店舗は駅からだいぶ離れた場所だ。東武東上線は池袋を出ると「駅近」といえる店舗は川越までない。

豊島区の「池袋副都心整備ガイドプラン」に記載された「池袋副都心の地域特性」では「後背圏の私鉄沿線には所沢や川越に至るまでターミナル拠点がないこともあり」との指摘が見られるが、付近にユニクロのある駅の有無という指標でいえば、まさにこの通りということになる。

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