旨みがあり、複雑な味わいが楽しめるロゼが世界中でブーム!?
シャンパンのなかでも、卓越した旨みと複雑な味わいが特徴のロゼ。食前酒としては言わずもがな、特筆すべきは、マリアージュの幅広さ。肉料理や出汁の効いた和食、スパイスやハーブか効いた料理などと、実に多彩な料理と合わせることができるのだ。その、ロゼがいま世界中で大ブームを巻き起こしている。
ワインの国・フランスではロゼの生産量が白ワインを抜き、消費量もロゼが1位になったという。今や和食が世界を席巻中だが、それと呼応して口ゼがさらなるブームになる可能性は大。まずは、世界の流行発信地、ニューヨークのロゼ事情をレポート。さらに、日本において、ロゼが楽しめる一流店、およびレシピを紹介する。
ニューヨークでは、“肉にロゼ”が主流になりつつある!?
「肉にロゼ・シャンパンを合わせるようになったのは、ハングアウト(遊ぶ)のときにレストランでよく見かけたからなんだ。そうか、その手があったかって(笑)」。
というのは、俳優や写真家などのアーティストとして活動するアントニオさん。アーティストが多く住むニューヨークでは、誰もが常にクリエイティブで居続けられるために、安定よりも刺激が求められている。
赤身肉には赤ワインという定番を抜け出し、ロゼ・シャンパンを合わせるというチョイスは、男女ともにウケがよく、何より食卓に彩りを添える。そして何よりも、目で見ても楽しく味わえ、五感が刺激されるからだという。
熟成肉を使ったハンバーガーの旨さが話題となり、抜群の人気を誇るウエストビレッジのフレンチビストロ『Minetta Tavern』には、アーティストやファッション関係者が、情報交換がてらに連日押しかける。
「シグネチャーである肉メニューとロゼの組み合わせは、一年中出るようになりましたね」という。
ミートパッキングエリアに位置するフレンチレストラン『Paradou』のガーデンやキュートなインテリアは、女性にも大人気。フレンチらしさ炸裂のメニュー、ステーキ・タルタルの赤身肉は、豊潤なロゼの芳香と、絶妙なハーモニーを奏でる。
常に新しい刺激を求めるニューヨーカーたちにとって、ロゼは格好の存在なのだ。そして、その波は着実に日本にも訪れている。次ページからは、“ロゼ×肉”を楽しめる5軒のレストランを紹介しよう。