日本でロゼ・シャンパンを愉しめる5つの店
ロゼのなかでも、高い人気を誇るのがモエ・エ・シャンドンの「ロゼ アンペリアル」。かの皇帝ナポレオンⅠ世も愛したという、この1本を心行くまで楽しむことができる5軒を紹介しよう。
1.『Florilege』川手寛康シェフの場合
ロゼを“ソース”として味わうという新鮮な食体験
「僕がひとりフレンチをする際には、よくロゼのシャンパンを相棒にしています」と打ち明けてくれたのは『フロリレージュ』の川手寛康シェフ。ロゼの魅力を実感し、中でも「ロゼ アンペリアル」には一目置いているらしい。
「日本人にとってモエ・エ・シャンドンはシャンパンの永遠のスタンダード。かく言う僕もそのひとりです。果実味が非常に豊かで、温度の変化による味わいの移ろいを堪能できるところが気に入っています」
そう話す川手シェフはロゼに合わせた、前菜とメインディッシュの2品を提案してくれた。
「メインの鹿は敢えてソースなし。ロゼをソースのように位置づけて味わってみてください」
なるほど、ロゼがラズベリーや黒スグリを彷彿とさせ、ジビエの力強さを膨らましてくれる。見事なマリアージュである。
2.『Les gens』井上岳彦シェフの場合
隠れ家的フレンチで食の色彩に心を奪われる
恵比寿の喧騒を離れたビルの2階に位置する『レ ジャン』には隠れ家という言葉が似合う。誰かの私邸にでも招かれたような寛ぎを覚える空間で振る舞われるのは、野菜の魅力をさまざまな形で活かしたフレンチ。
井上岳彦シェフが「口ゼとのバランスを意識して彩りを大切にした」と語る一皿には、炭火でしっとりと口ゼ色に焼き上げられた仔牛肉を主役に、鮮やかな色合いの春野菜が添えられている。料理が五感で楽しめるものであることを、このマリアージュは実感させてくれるに違いない。
3.『orange』三浦和樹シェフの場合
ロゼの果実味が鴨の旨みを最大限に引き立てる
モエ・エ・シャンドンをフルラインナップで用意する六本木のシャンパンビストロ『オランジェ』は、特にモ工好きには堪らない一軒。その厨房を取り仕切る三浦和樹シェフが「口ゼ アシペリアル」とのマリアージュにと薦めてくれたのは「鴨のコンフィ」だ。
「低温の泌で煮ることで、肉の旨みをギュッと凝縮させることができます。ロゼならではの旨みと響きあうはずですよ」果実味溢れる口ゼ効果もあってか、鴨特有の臭みはなし。純粋に旨みを享受でき、ナイフとフォークを動かす手が止まらない。
4.『FISH BANK TOKYO』福永敏之シェフの場合
ロゼの万能性を体感できる滋味豊かな一皿
壁一面のガラス窓の外には星屑のような東京の夜景。天井からは眩いシャンデリアが下がり、とことん賛沢な気分を味わわせてくれる「フィッシュバンクトウキョウ」は、仔牛のバロティーヌを主役にした目にも楽しいメインディッシュが提案された。
「仔牛にはモリユ茸を詰めています。ロゼの魅力は食材を選ばない万能性。それが実感できると思います」(福永敏之シェフ)滋味豊かな仔牛と茸の二重奏に口ゼが加わると味わいにさらなる調和が生まれる。その妙を、ご自身の舌で確かめてほしい。
5.『Casita』秋田和則シェフの場合
イタリアの郷土料理と評判の極旨地鶏が共演
表参道駅から至近で広々テラスを有する『カシータ』。シェフの秋田和則氏はイタリア5州で腕を磨き、郷土料理に親しんできた。その彼が提案するのは「大和肉鶏×春キャベツのストゥファート」。
「ストゥファートは煮込み料理のこと。大和肉鶏の繊細かつコクのある肉質を、ロゼの華やかな香りと奥行きのある味わいが引き立ててくれるはずです」なお、大和肉鶏は一般の約2倍の期間で飼育するから旨みが断トツ。だからこそ、ロゼ アンペリアルの奥深い味わいに相応しいのだ。