レジェンド焼肉職人の肖像 Vol.3

元総理もジモンも並んだ!『鹿浜 スタミナ苑』のあくなき肉への追求心

ここ数年の“肉ブーム”の中でも、とりわけ確固たる人気を誇るのが「焼肉」。今、改めて焼肉を掘り下げるべく、“生ける伝説”級の焼肉店店主の哲学に迫った。第1回の『ゆうじ』樋口氏、第2回の『虎の穴 恵比寿店』辛氏に続き、最終回となる今回は、好事家からも絶大な支持を受ける『鹿浜 スタミナ苑』の豊島兄弟に登場を願った。

『鹿浜 スタミナ苑』
豊島雅信/豊島久博

伝説の焼肉兄弟は日々、最高の仕事を全うする

東京でNo.1のレバー。これで約5kg。だが1/3 は廃棄される。ぜひレバ塩¥1,000 で

「元総理大臣も並んだ」、「開店2時間前から行列ができる」……etc。数々の都市伝説を生んだレジェンド中のレジェンド、『鹿浜 スタミナ苑』。

創業は48年前。次兄の豊島久博さんが母親と始めたのがこの店の創成期だ。その後、15歳でこの道に入った雅信さんが加わり、以来、二人三脚で店を切り盛り。切磋琢磨の末に得た「鹿浜にスタミナ苑あり」の名声については、も
はや改めて語ることもないだろう。

麗しきホルモンの数々。写真は撮影用に特別に用意していただいた裏メニュー。通常のミックスホルモン¥1,700 でも十分旨い

歩いてすぐの屠場から届く新鮮この上ないホルモンに肉はA5の処女牛。それも、久博さん曰く「月齢36ヵ月以上の(牛の)上半身しか使わない」ほどの徹底した品質保持。

これが長きにわたる人気の由縁のひとつだが、さらに特筆すべきは、仕事の丁寧さ。緻密な下拵えが厳選した素材を極上の味へと昇華させている。たとえばレバー。

日々仕入れる最上級のレバーは5㎏余りだが、雅信さんのわずかな筋も見逃さぬ厳しくも丹念な仕込みにかかれば、2/3ほどしか残らない。シマチョウ、コブクロ、ギアラなどほかの内臓類も然り。

サシも美しいシンタマ¥1,300(手前)は裏メニュー。熟成させたまくら(肩ロースの脇)¥1,300

精肉も同様で、そのまま食べて十分柔らかいみすじにしても、より食べ易くと念入りに筋を切り、やや硬めなまくら(肩ロースの脇)は、熟成させて赤身本来の濃い肉の味を引き出すといった案配だ。

素材の粋すいのみを引き出そうとする姿勢と食べやすさを考慮した巧みな包丁使いが、〝スタミナ苑の焼肉〞を創り出しているのだ。

が、これらのことは、豊島兄弟をはじめスタッフにとっては日常茶飯。現状に甘んずることなく前進あるのみ、の前向きな姿勢。これこそが、不滅の『スタミナ苑』の原動力だ。

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