「先のことより、今に集中したい」27歳になった橋本環奈が、自分に揺るぎない肯定感がある理由
違いが分かる大人が足を向ける一軒が、虎ノ門にある。
その名は、『SMUK(スムーク)』。気鋭のアートディレクターが創り上げた美意識が静かに息づく食空間だ。そこへ進化し続ける女優・橋本環奈さんをお連れした。
見えてきたのは、“いま”に反応する感覚の鋭さだった。
「重圧よりも『楽しい』が先に口をついて出る」
その目は、変わらぬ自信に満ちていた。本誌に登場するのは2021年9月号以来だが、そこに揺らぎのようなものは見当たらない。
ワインに話が及ぶと、その臆さぬ印象はさらに強まる。彼女は「詳しいわけではないんですけど」と潔く開き直った上で、こう続けた。
「ワインバーには友人と行くこともありますし、気になるワインがあれば、ソムリエの方に進んで質問します。前に『ラヴノー』をいただいたら、シャブリってこんなに美味しかったんだと感動しました」
ワインは、海外に出る機会が増えたことをきっかけに自然と親しむようになった。食べることが好きな友人たちと集まる時間も、彼女にとって大切なワインのある風景のひとつ。
大阪、福岡、韓国、オーストラリアと、それぞれの場所で暮らす親しい仲間が帰国すれば、自ら店を探し、ともに食卓を囲む。
やがて会話は、放送中の主演ドラマ『ヤンドク!』へと移った。すると、言葉の端々に、確かな手応えがにじんだ。
「医療の世界を描いてはいますが、手術のすごさとかだけじゃなく、患者さんそれぞれの事情とか、病院の中のいろんな立場とか、理想と現実のはざまで揺れる人たちの話でもあるなと思っています。
私が演じている脳神経外科医も、実在している元ヤンキーという異色の経歴の持ち主なんです。遠慮したり計算したりせず、正しいと思ったことに真っすぐ突っ込んでいくタイプで。
だからこそ周りを振り回しちゃうこともあるのですが、その分、止まっていた空気を動かし、好転させるのかもしれません」
彼女の口調はよどみない。
「演じづらさみたいなものは感じていません。むしろ、楽しいなと思えるところばかりです」
芝居に正解はない。彼女はその不確かさを難しさではなく面白さとして受け止めている。
客観視と自己表現、その両方を同時に保つ作業は容易ではないが、「だからこそやりがいがある」と言い切る。その姿勢は、年齢を重ねることへの向き合い方にも通じていた。
「いまこの瞬間に深く鋭く反応して前へ進んでいく」
この2月に27歳を迎えた今、役柄の幅が広がっていくことが純粋に楽しみだと語る一方で、「先のことより、今に集中したい」とも話した。
主演として背負う責任や現場の緊張を問うても、言葉は驚くほど軽い。重圧という言葉より、彼女の口から自然に出てくるのは「楽しい」という前向きな感覚だった。
「スポットライトを浴びるのが好き。アドレナリンが出るというか、他にはない高揚感を感じるときがある」と言う。小学3年生でこの世界に入った頃から、その感覚は変わっていないそうだ。
重圧や緊張を“避けるもの”ではなく、体を目覚めさせる刺激として受け取っているように感じられる。彼女は、こうも言った。
「自信がなくならないのが、私の最大の強みです」
言葉に迷いはない。彼女の自信は、誰かと比べて勝ち取ったものではなく、自分自身への揺るぎない肯定だ。
そこに見えたのは虚勢ではない。日々の選択を信じ続けてきた人の落ち着きである。それは、自分の判断を過度に疑わない強さにもつながっているのだろう。
「その時の選択を常に肯定し、選択したからには全力でまっとうする。反省することを否定はしませんが、過去の判断を悔やむことはありませんね」
未来の不安に思考を奪われることもなく、ただ目の前の状況に全神経を向ける。その積み重ねが、いまの彼女を形づくっている。強さとは、特別な資質のことではないのかもしれない。
いまこの瞬間にどれだけ深く、鋭く反応できるか――その意味を、彼女の言葉と佇まいから教えられた気がした。
■プロフィール
橋本環奈 1999年生まれ、福岡県出身。映画『セーラー服と機関銃-卒業-』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。連続テレビ小説『おむすび』主演。現在放送中のフジテレビ系ドラマ『ヤンドク!』で月9初主演を果たした。
■衣装
ワンピース¥187,000〈ファビアナ フィリッピ/コロネット TEL:03-5216-6516〉、イヤリング¥25,300、ネックレス¥231,000、リング(右人差し指)¥242,000、リングとして付けたイヤーカフ(右薬指)¥30,800、リング(左)¥39,600、バングル¥79,200〈すべてARTIDA OUD TEL:03-6804-8090〉※価格変動あり
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