東洋経済・東京鉄道事情 Vol.30

築地の移転延期はここにまで影響している!「豊洲市場」の鉄道・バスが大混乱!

ゆりかもめの市場前駅。いまのところ同線でもっとも利用者数が少ない駅だ(筆者撮影)

小池百合子東京都知事が築地市場からの移転延期を決めた豊洲新市場。土壌汚染対策として実施したとされていた盛土が一部で行われていなかったことが発覚するなど、ずさんな事業の実態が明るみに出ている。

一方、移転の延期は豊洲市場へのアクセス手段として準備を進めてきた交通機関にも無関係ではない。都バスの新路線開設や路線の延伸は、移転の延期に合わせて先送りに。臨海部の足である新交通システム「ゆりかもめ」は、新市場の開場も見込んだ始発時刻の繰り上げなどを含むダイヤ改正を10月に行うが、11月に入っても市場への利用者はいない状態が続くことになる。



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――人影まばらな市場前駅

新市場の最寄り駅となる、新交通システムゆりかもめの「市場前駅」。豊洲市場の最寄り駅として2006年に開業したが、今のところ、周囲には市場の真新しい建物が並ぶ以外はほぼ何もなく、お台場などへの乗客で賑わうゆりかもめの車両から降りる乗客の姿はほとんど見られない。2014年度の東京都統計年鑑によると同駅の年間乗降客数は20万9,000人、1日あたりに直せば570人ほどだ。

ゆりかもめの駅で利用者数が最少なのはもちろん、23区内の駅としても極めて少ないことから、ネット上では「都会の秘境駅」などと呼ばれることもある同駅だが、その近く、ゆりかもめの高架沿いの道路に、シートをかぶったままのバス停らしき標識が建っている。新市場へのバスが停まるはずの停留所だ。

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