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SPECIAL TALK Vol.131

~勝ちたい。勝つしかない。とことん勝ちにこだわったから、今がある~


大学に入学するも、すぐさま海外へ飛び出す


金丸:筑波大学の環境は決して悪くはなかったはずですが、1年も経たずに海外に飛び出されました。もともと海外に行きたかったのですか?

吉田:大学1年で、大学の全国選手権優勝、U-19の日本代表選出、年齢制限のないフル代表にも選出と、いろいろ経験させてもらいました。最初に海外を意識したのは、U-19でヨーロッパの選手とプレーしたときです。

金丸:やはり、レベルの高さを感じたんですね。

吉田:加えて、僕のポジションである「ピボット」は、フィジカルの強さが求められます。だから、みんな体がデカい。

金丸:吉田さんも大きいとはいえ、日本人だと体格的に不利ですよね。

吉田:だからこそ、挑戦のしがいがあると感じました。大学ではフィジカルが強い方だけど、フル代表はみんな大きくて、海外はさらに大きい。そんな環境で自分が通用すると示すことができれば、僕が満足するだけじゃなくて、あとに続く子どもたちにも希望を与えられるかも、と。

金丸:素晴らしい。日本でいろいろ経験したとはいえ、海外への挑戦に不安はなかったんですか?

吉田:それがなかったんですよ。というより、何も考えていませんでした(笑)。

金丸:何もですか(笑)。

吉田:すぐに大学の先輩で、ポーランドのチームに所属していた徳田廉之介さんに相談して、自分で編集したプレー動画をチームに送りました。

金丸:思い立ったら即行動ですね。

吉田:僕は子どもの頃からずっと負けず嫌いで、やるからには勝ちたいんですよ。勝つためには強くならないといけない。強くなるためには海外に行くしかない。とにかく本場ヨーロッパでトップを目指したかったんです。

金丸:ちょっとマニアックな話になってしまいますが、吉田さんは昨シーズン、日本人として初めて、「ファイナル4」(ヨーロッパ最高峰を決めるトーナメント戦)の舞台に立ちました。これは本当にすごいことです。

吉田:結果は3位でしたが、メダルを穫れました。絶対にメダルを持って帰るぞ、という決意がチームにみなぎっていて、熱い戦いになりましたね。

金丸:そもそも、吉田さんの所属するHBCナントは強いチームなんですか?

吉田:強いです。昨シーズンもフランスリーグでは2位だし、歴史も長い。地元での人気が高いから「負けられない」というプレッシャーがすごいですね。

金丸:日本ではハンドボールがまだまだ根付いていないけど、特にヨーロッパではものすごい人気スポーツじゃないですか。スポーツとしてのレベルが高いだけじゃなくて、選手によるファンサービスも手厚いし、スタジアム全体がエンタメの場になっています。

吉田:ナントもすごくたくさんのファンが見に来てくれます。6,000人のスタジアムが毎試合満員です。年末にはもっと大きな1万人以上が入る体育館でホーム戦をやるんですが、それも満員になりますね。

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