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SPECIAL TALK Vol.131

~勝ちたい。勝つしかない。とことん勝ちにこだわったから、今がある~

令和のニューリーダーたちに告ぐ


ハンドボールの本場、ヨーロッパのクラブチーム王者を決める「EHFチャンピオンズリーグFINAL4(ファイナル4)」に2025年6月、ある日本人が初めて出場を果たした。

結果は、バルサ(スペイン)に勝利し3位。初出場に加え初の銅メダルを獲得したのが、吉田守一選手だ。

身長190センチを超える恵まれた体格で、ポジションは「ピボット」。ディフェンスの要になるだけでなく、相手ディフェンダーの動きを牽制し、攻撃にも絡みながら自らシュートを打つ。

能力とセンスが求められるポジションだが、吉田選手がハンドボールを始めたのは高校1年生だった2016年。それからたった4年で日本代表に選ばれ、さらにはヨーロッパへ飛び出し、活躍を重ねている。

日本とはまったく異なる環境にひとりで飛び込めたのはなぜか。レベルの高い世界で活躍できるのはなぜか。その生い立ちから、プロスポーツ選手に必要な素養を明らかにする。

吉田守一氏 2001年、和歌山県生まれ。攻守に体を張るピボット役。小学生時代は空手、中学時代はバスケットボールに励み、高校1年生の2016年からハンドボールを始める。筑波大1年生だった19年に早くも日本代表入り。20年からポーランド・リーグで活躍し、現在はフランスリーグでプレーする。25年には、日本人として初めてファイナル4の舞台に立ち、チームの勝利に貢献した。


金丸:本日はハンドボール選手の吉田守一さんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。

吉田:こちらこそ、呼んでいただいてありがとうございます。

金丸:今日の舞台は銀座の『アマラントス』です。溜池山王から、今年の3月に移転オープンした、正統派フレンチをいただけるお店です。吉田さんは現在、フランスでハンドボールをプレーされていますが、こちらの宮﨑慎太郎シェフも本場フランスでの修業経験があるそうです。

吉田:こんなふうに食事をしながらお話しすることがないので、とても楽しみです。

金丸:フランスから一時帰国している吉田さんにフレンチというのも、少し悩んだのですが。

吉田:いや、全然。向こうで正統派のフレンチを食べる機会は、ほとんどないんです。外食するときは気軽なビストロが多いので、嬉しいです。

金丸:家での食事はどうしていらっしゃるんですか?

吉田:自炊していますが、ウーバーイーツを利用することも多いですね。練習で疲れて帰ってくると、自炊する気になれなくて。

金丸:スポーツ選手だと食べる量が多いから、かなりの額になりそうですね。

吉田:そうですね。1回で5,000円とか、時には8,000円くらいになっちゃうこともあります。

金丸:それは大変だ。吉田さんが所属しているハンドボールチームは、フランスリーグの「HBCナント」です。ナントはワインの産地ですから、もし私に住む機会があったら、ここぞとばかりにワインを飲みまくると思います。

吉田:ワインが有名なのは知っているんですが、チームメイトと一緒に食べに行くと、だいたいみんなビールを飲むんです。だから僕もほとんどはビールで。

金丸:せっかくフランスにいるのに、もったいない(笑)。

吉田:ですよね(笑)。

金丸:さて、私は高校時代にハンドボールをやっていて、今は日本ハンドボール協会の会長を務めています。

吉田:そのご縁で、金丸さんとは以前からお話しする機会がありました。金丸さんが日頃から「もっと海外を知らなきゃいけない」とおっしゃっているのは、本当にその通りだと思います。

金丸:日本のハンドボール界をもっと盛り上げたいし、ハンドボールの面白さをもっと多くの人に知ってほしい、といつも思っています。だからこそ若くして海外にひとりで乗り込み、本場でプレーしている吉田さんに、ハンドボールの魅力を思う存分語っていただきたい。今日はよろしくお願いします。

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