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SPECIAL TALK Vol.128

~兄に、家族に支えられて、もう一度オリンピックの舞台を目指す~

令和のニューリーダーたちに告ぐ


コロナ禍による1年延期という未曾有の事態を経て開催された東京2020オリンピック。

阿部 詩(うた)、そして兄の一二三(ひふみ)が、きょうだいそろって同日に金メダルを手にした。柔道の本場、日本においても、きょうだいでの同日金メダル獲得は初の栄冠だ。

そして3年後、パリ2024オリンピックにて再びきょうだいが注目を浴びる。しかし、詩氏は敗退。ショックのあまり人目をはばからずに会場で号泣した。

それから約半年後、休養を挟んで挑んだ国際大会「グランドスラム・バクー2025」で見事優勝した。次回、2028年のロスオリンピック出場と金メダル獲得を目指す詩氏。

若き柔道家の歩みと挑戦の日々を振り返ると、一流選手が生まれるために必要なものが見えてくる。

阿部 詩氏 2000年生まれ。兵庫県出身の柔道家(女子52kg級)。パーク24所属。5歳で柔道を始め、2017年に世界ジュニア選手権大会で優勝。翌2018年には初出場の世界柔道選手権を制覇。兄の一二三とともに日本柔道界で史上初となる、きょうだいによる世界選手権同日優勝を達成し、話題に。2021年東京オリンピックでは個人で金メダル、混合団体で銀メダル、2024年パリオリンピックでは、混合団体で銀メダルを獲得。得意技は内股、袖釣り込み腰。


金丸:本日は柔道家の阿部 詩さんをお招きしました。お忙しいところありがとうございます。

阿部:こちらこそお招きいただきありがとうございます。

金丸:今日の対談の舞台は昨年12月にオープンした広尾の『日本料理 佐々』です。大将の佐々悠樹さんは正当派の日本料理にこだわりながら、2016年には上海にも出店し、自ら腕を振るうなど異色の経歴の持ち主です。

阿部:すごいですね!食べることは大好きなので、お話も料理も楽しみです。

金丸:お食事にはどれくらい気をつけているんですか?

阿部:試合の1ヶ月くらい前から、あまり油を摂らないようにしていますが、普段は何でも食べます。減量幅もそんなに大きいわけではないので。

金丸:アスリートにはタンパク質が欠かせないと思いますが、肉派ですか、魚派ですか?

阿部:肉と魚派です(笑)。

金丸:どちらもお好きなんですね。大豆とかではなく?

阿部:動物性のものから摂ったほうが強くなれそうだなって。

金丸:それは確かに。相手が肉を食べていて、こちらが大豆だと、何だか勝てない気がしちゃいますね(笑)。

阿部:単にイメージなんですけどね(笑)。

金丸:さて、阿部さんは世界的な柔道家として活躍されています。これまでこの対談には、上地結衣さんをはじめ、谷 真海さん、太田雄貴さん、小谷実可子さん、そして山本 篤さんなどと、多くのオリンピアン・パラリンピアンの方々にご登場いただきました。どの方も素敵なお話を聞かせてくれました。

阿部:そんな方々と並べていただけるなんて光栄です。

金丸:阿部さんは、いまおいくつですか?

阿部:今年で25歳になります。

金丸:まだまだお若いですね。今日は阿部さんのこれまでの歩みを振り返りながら、いまどのようなことを考え、これから先に何を成し遂げようとしているのかをじっくり伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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