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美人店主を囲んで、大阪の家庭料理を愉しむサロン。店主のこだわりがある、今アツい心斎橋の4軒

店主のこだわりがあり、料理が美味しくて、お洒落な店は最高だ。

そんな店が、心斎橋・本町にあるという。大阪ミナミの4軒を紹介する。



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1.精米所もあるセンス良き酒場に天下の台所の本領を見る
『めし処 ゑノゐ』

本町『めし処 ゑノゐ』のエントランス

細いエントランスの奥に浮かび上がる、舞鶴の景物を織り込んだ赤い看板。稲穂をくわえた鶴が、店の得意料理をほのめかしている


大阪の酒場で見かけることが多い「土鍋めし」だが、『めし処 ゑノゐ』は、ほかと一線を画す。

米にこだわる店主が店内に精米所を設け、つきたて、鮮度抜群の米で炊き上げるからだ。

本町『めし処 ゑノゐ』の内観


倉庫を改装した店内にはテーブル席のほか立ち飲みカウンターもあり、食事にも、待ち合わせしてサクッと飲むにも使えるのが嬉しい。

店主・山下義明さんは京都・舞鶴の出身。豊富な飲食経験を生かして居酒屋開業を構想したとき、食べ慣れた舞鶴の旨い米を看板にと考えた。

「業態も決めていないのに、滋賀の工房『六鍋』に特厚の土鍋を特注しました」

本町『めし処 ゑノゐ』の「炭薫る鶏ひき肉めし」

「炭薫る鶏ひき肉めし」¥1,540。炊き上がりに焼けた備長炭をのせて、そぼろと醤油の焦げ香を立てる


米は郷里の農家に作ってもらう小粒のコシヒカリ。

精米したてを「トロ焼鯖と貝割」などと炊き込み、具だくさんの“米アテ”に仕立てる。

本町『めし処 ゑノゐ』の「但馬どりもも籠炙り」、「ゑのゐボール」、「糠漬け」

手前左から、炭火で籠焼きにする「但馬どりもも籠炙り」(¥1,320)は上にのせた春菊とともにいただく。ナッツとドライフルーツをクリームチーズ、ハチミツなどで丸めた「ゑのゐボール」(¥605)は、ワインのお供に。スタッフ“けんちゃん”が漬けた「糠漬け」¥550


但馬どりの焼き鳥や珍味など数々の酒肴も、やはり米との親和性が高い。

「ご飯で飲める洒落た店が大阪にあるんだけど」と誘ったら、銀シャリ好きな彼女はどんな顔をするだろう。

めし処 ゑノゐ(本町) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

2.問屋街に紛れた隠れ家で出合う、才気あふれる無二の大阪スパニッシュ
『Claro』

松屋町『Claro』の外観


松屋町筋と長堀通の交差点からすぐ、脇道を少し入った先に重厚な扉が佇む。

窓のないバーのようなエントランス。

松屋町『Claro』の内観


左官仕上げの質感と黒にこだわり、店内はユニークな盆栽や流木アートがトム・ディクソンの照明に照らされる。カウンターの端は半円卓で格好のカップル席。

『Claro』は、スペインに和を融合させるイノベーティブな1軒。

オーナーシェフ・福島秀高さんが生み出す料理は、どれもひねりが利いて驚きの連続。

松屋町『Claro』の「ウニのピンチョス」、「セロリのチュロス」

右は「ウニのピンチョス」。といっても串は使わないフィンガーフードだ。風味豊かな味わいで食欲が加速する。左の「セロリのチュロス」は、かりんとうをイメージした黒糖風味。チョリソーで塩気を利かせ、能登の「あんがとう農家」のエディブルフラワーを添える


例えば、黒谷和紙作家のハタノワタル氏作のプレートに盛られたアミューズの「ウニのピンチョス」。

バゲットを噛めば、発酵バターとキノコの香りが広がり、濃厚なうにと重なり合う。

松屋町『Claro』の「イカスミパエリア」

通年メニューで、目当てに通うゲストも多いという日本米のパエリア。ニンニクがごく軽やかなアリオリソースは無農薬レモンで爽やかさをプラス


炭火で炙ったホタルイカの「イカスミパエリア」は、香ばしさとコクが一体となり力強い。

創意工夫に満ちた料理の数々に、思わず顔を見合わせ「ホントに美味しかった」と唸る、そんな料理。

濃厚プリンが至福!

松屋町『Claro』の「ぷりん」

料理はすべてコース(¥12,100)より


ファンも多い名物デザートの「ぷりん」は必食。チーズ並みの濃厚な舌ざわり。

スペインのエッセンスを取り入れつつ、日本人の味覚に寄り添う。

浪速のグルメ玄人たちを唸らせる、唯一無二の美食体験がここにある。

Claro(松屋町) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

3.浪速の左党に愛されるモダン酒場で、関西から西へと燗酒で巡る幸せ
『賽』

本町『賽』の内観


旨い蕎麦でも出てきそうな、削ぎ落とされた感のあるインテリア。渡辺隆之さんのぐい呑みや片口をはじめ器も気が利いている。ワンオペゆえ気長に飲りたい。

シンプルな『賽』の店内でひときわ存在感を放つ常温酒の棚。

本町『賽』で提供している日本酒

関東では見かけない酒ぞろい。「天穏」は常時10種ほど置くという塩入さんの贔屓銘柄だ。半合¥500~


「秋鹿」など関西の酒もそれなりにあるが、主役は島根「天穏」、鳥取「冨玲」「辨天娘」など西日本の、燗向けとして名高い酒だ。

「ゆっくり晩酌を楽しんでほしいから、夏でも燗酒推しです」と店主の塩入得由(しおいりとくよし)さん。

本町『賽』の水盤

カウンターから見える特大の水盤。場所によって異なる水温も生かし、ちろりやフラスコで燗をつける


カウンターから見える特大の水盤。場所によって異なる水温も生かし、ちろりやフラスコで燗をつける。

カウンターには備前焼の水盤が据えられ、温度を細かく調整しながら燗につける。

本町『賽』の「蒸し牡蛎 うるい 津軽酢」、、「よこわ山かけ行者にんにく醤油」、「酒肴盛合せ」

手前右から時計回りに「蒸し牡蛎 うるい 津軽酢」¥1,000、「よこわ山かけ行者にんにく醤油」¥1,100。「酒肴盛合せ」(¥1,500)は「マダイとスナップエンドウの酒盗オイル和え」、「クラゲとセロリのゴマ酢」、「ホタルイカの辛煮」と「山うどのきんぴら」。「天穏 斎香」が相性◎


酒の肴は、煮・炊き・焼き・揚げと、日替わりで約20種類がそろい、500円からと手軽な価格。どの酒に合わせるか迷うなら、塩入さんに任せるのが正解。

「お客様の好みを見ながら面白い酒も提案するので、東のお客さんには珍しがってもらえます」と笑う。

大阪から山陰へと続くような日本酒紀行が堪能できる、本気の酒好きをも虜にする実力店だ。

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4.べっぴんさんな女将を囲んで大阪の家庭料理を愉しむサロンがある
『Common.』

長堀橋『Common.』の外観

「心斎橋から少し離れた隠れ家っぽい雰囲気が好きです。この広い窓もいいですよね」と堀川さん


24時間眠らない繁華街「ミナミ」から少し外れた、閑静な路地の一角。

大きな窓を装するレトロな店のカウンターで、客に囲まれて楽しげに会話する美人店主の姿が見えたら、そこが『Common.』だ。

長堀橋『Common.』の内観

自然に気軽なやり取りの生まれる居心地のいい店内。オープンからラストまで、気ままに飲みながら過ごしていく常連もいるとか


美術作家として活躍し、飲食業界は未経験だったという店主の堀川さんは、常連として通っていた老舗喫茶店を引き継ぐ形で店をオープン。

一朝一夕では出せない風合いのダクトやドアなどを残して改装したことで、洗練されつつも落ち着く空間を形作っている。

和食ベースの「家庭料理」を謳う料理は、しらたきを使った「ヤムウンセン」など、堀川さんのアイデアが光る。

長堀橋『Common.』の「梅干しと塩こんぶとちりめんじゃこのクリームチーズポテサラ」、「ヤムウンセン」、「ゴルゴンゾーラのチーズケーキ」


「料理は独学で、お客さんには私の趣味に付き合ってもらっている感じです」と語る堀川さん。

ポーションはお客さん次第で、上から「梅干しと塩こんぶとちりめんじゃこのクリームチーズポテサラ」(¥825~)や、しらたきの「ヤムウンセン」(¥1,650~)、「ゴルゴンゾーラのチーズケーキ」(¥880~)などアイデア溢れるものばかり。

セラーのワインボトルには値段がついており自由に選べて楽しい。

長堀橋『Common.』の床に並ぶ50本以上のボトル

床に並ぶ50本以上のボトルは開店1周年と堀川さんの誕生日を記念したパーティーで開けられたものなのだとか。しかも、銘柄はドンペリやサロンなど一級品ばかり


味の好みや、お腹の空き具合に合わせて提供するという気配りも、居心地の良さを助長し、愛される所以となっているのだろう。

Common.(長堀橋) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

▶このほか:大阪酒場は「安いウマイ」が当たり前!難波からのハシゴ酒は“名物店主”で選ぶ「ネオ立ち飲み」が最旬

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