東京レストラン・ストーリー Vol.42

「なんか怪しい」付き合って1年半36歳彼に感じる違和感。その正体が食事中に判明し…

レストランを予約してその予定を書き込むとき、私たちの心は一気に華やぐもの―。

なぜならその瞬間、あなただけの大切なストーリーが始まるから。

これは東京のレストランを舞台にした、大人の男女のストーリー。

▶前回:「そんなの聞いてない…」別れる前の“最後のデート”で、彼から告げられた衝撃の真実とは


「自信を持たせてくれる男性」紗江(33歳)/ 帝国ホテル『寅黒』


帝国ホテルに足を踏み入れると、どこか別の世界に来たような気がするのはなぜなのだろうか。

重厚感のある内装に、背筋がピンとするクラシックな雰囲気。なんでもない日に訪れるのが、もったいないような気持ちにさえなる。

「今回の仕事は結構大変だったの」と恋人の恭平に話したのは2週前。

「それじゃあ、ご褒美しないとね」と『寅黒』を予約してくれたのだ。

― 優しくて、完璧すぎる彼氏だよなぁ…。

待ち合わせ前にパウダールームに寄り、私は前髪を手ぐしで整えながら、ふぅと息を吐いた。

何を着ようか、と散々迷って決めたAlexander McQueenのブラックドレスとMANOLO BLAHNIKのパンプス。その装いが、私に自信を持たせてくれる。

ロビーに戻ると、こちらに向かってくる恭平と目が合い、私は顔の横で小さく手を振った。

この記事へのコメント

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No Name
すごいショックだと思う。ただ、悪意のある嘘と言うより嫌われたくないから言い出せなかった気持ちの方が大きかったとも思う。離婚してもう10年以上経ってるようだし、好きな気持ちに従って仲直りしたらしい♡
2025/04/14 05:2517
No Name
紗江、すごく大人な女性だなぁと思った。昨日みたいにテンション上がると叫ぶような女だったらとんでもない騒ぎになり帝国ホテル出禁になるだろうね。
2025/04/14 05:3114返信5件
No Name
『1LDK…』が終わってしまい、今日は小説読めないだろうと期待薄でアプリ開いたらレストランストーリーの更新があってとても嬉しかったです。今回やや重めの話でしたがなんとなくきちんと話し合えば上手くいくような気がしました。 一点だけ、紗江の家に麻美さんが来た時に恭平も居て挨拶したのか紗江の記憶違いか、解釈に迷いました。シーンが重なって「一番奥の席知り合いだ…」と小声で言っていたので…。
2025/04/14 05:4113返信5件
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