
マンションの数フロアにわたる部屋を利用した『石頭楼本店』は、看板がない六本木の隠れ家鍋レストラン。その本店近くに、一軒家のアネックスがある。
こちらは2階建て一軒家にゆったりと席をとり、名物の石頭火鍋を心ゆくまで味わえる。韓国産の角閃石で作った鍋を熱し、そこにたっぷりの胡麻油を入れて、豚のばら肉と牛の肩ロース肉を炒める。
いったん肉を取り出して鶏がらスープを入れ、具を加え、肉を戻す。一度油通しすることで、肉は煮ても硬くならず、旨みが内側に閉じ込められるという。石の鍋でじっくりと熱を通したさまざまな具材から、旨みが出て混然一体となったスープは絶品だ。
知る人ぞ知る隠れ家レストランゆえ、食べログでは口コミの数が極端に少ない。それが低ポイントにつながっているようだが、東京カレンダーは、それが逆にメリットになると考える。人知れず、唯一無二の火鍋をつつくのは、グルマンの心をくすぐるだろう。清潔感なるお店ゆえ、意中の女性ともバッチリだ。