オトナの5分読書 Vol.31

脳が一生忘れないインプット術。読み方を少し工夫するだけで、記憶力がアップする!

2. 誰にでも実践できる効果的なインプット法=アクティブ・リーディング


クオリティーの高いインプットを可能にするのは、「アクティブ・リーディング」と呼ばれる方法です。

「アクティブ」は「能動的」「積極的」という意味合いで、目の前の情報にエンゲージ(集中して取り組むこと)しながら、積極的な姿勢で読むことで自分の目的に合ったクオリティーの高いインプットを実現することができます。

また、そのように読むことで、理解度や記憶の定着率がアップして、より良いインプットを実現することができます。

それではどのようにしたら「アクティブ」な「読むインプット」をすることができるのでしょうか。じっくり見ていくことにしましょう。


①読む前


〈目的設定〉


「読むインプット」では、全体の文章を読む前に勝負が決まってしまうと言っても過言ではありません。

「読むインプット」を始めるにあたって、まずすべきことは、自分が何のためにインプットしようとしているのかを明確に意識すること、つまり「目的設定」が大事です。

同じ情報をインプットする場合でも、その目的によって、効果的なインプットの方法が変わってきます。

そのためインプットをする前に、どのようなインプットをすべきかをイメージすることが大切です。次のような点について考えてみましょう。

・読み取るべき内容は何か
・どれほどの精度で読み込むべきか
・インプットした情報を何に使いたいのか


読み始める前にこうした点を意識するだけでも、目的にフォーカスすることができ、効果的なインプットにつながります。

〈プレビュー〉


目的設定ができたら、すぐにでも読み始めたいところですが、読み始めにも大事なインプット戦略があります。

シンプルに1行目から順番に読んでいくなんてもってのほかです。

まずは、タイトルやサブタイトル、セクションごとの見出しを読んで、全体の内容を“プレビュー”しましょう

タイトルや見出しは、記事の内容を端的にまとめて表現しているので、それを読んでいけば、文章全体の内容や、どこに何が書かれているのかを把握することができます。

そうすることで“目的設定”に合わせた読み方の作戦を、より鮮明にイメージすることができるのです。

記事なら見出しチェック、本なら目次を読んで、全体をプレビューするのも、目的設定と並んで読む準備の大事な習慣の一つです。

②読みながら


次は読みながら実践するインプット法についてです。

〈自分をモニタリングする〉


自分が新しい情報を得ているかを、しっかりモニタリングしましょう。インプットをしながら、自分の脳の活動具合をモニタリングしているような感覚を持つことが大事です。

内容を十分に理解したと感じるのであれば、素早く読み飛ばして次に移ってください。逆に難しく感じたり、わからなかったりするような箇所には時間をかける必要があります。

インプットの感覚をモニタリングしながら、読む速さを調整するのが効果的なインプットのコツです。

〈手書きメモ〉


メモの最大の効果は、インプットした内容を脳でプロセスする(思い出したり考えたりする)ことです。決して、後で見返しやすいように記録を残すことではありません。

現代は、文字情報はすでにデジタル化されて記憶されており、音声も録音や文字起こしが簡単にできます。そのため、大事な点やまとまって記録することが目的であるならば、手書きメモは最も効率の良い方法とは言えないかもしれません。

しかし、「読むインプット」をするときは、時間を割いてでもメモをとるようにしましょう。なぜなら、手書きのメモをとることは、今読んでインプットした内容を自分の頭の中で思い出すことにつながるからです。

重要な箇所に線を引いたり、ハイライトしたりするのは、後で見返しやすくする効果はありますが、脳のエンゲージメントを高める効果は、低いです。


〈ストップ&ゴー〉


さて、手書きメモをとるように、インプットの流れをいったん遮断することで逆にインプットのクオリティーを上げることができます。

たくさんの情報を目の前にしてインプットがサクサク進んでいるときは、どんどん前に進みたくなってしまいますが、一度読むのをやめて、読んでいる内容に対して脳のエンゲージメントを高めることも必要です。

“メモをとること”もまさにこれに当たりますが、他にもおすすめの方法があります。

一番シンプルなのが、読むのをやめた上で、そこまでの内容を思い出したり、自分のインプット目的や持っている疑問を意識し直したりするというもの。その後にインプットを再開します。

“読んで止まって、また読んで止まる=ストップ&ゴー”の習慣を身につけると、脳がインプットしている内容によりエンゲージして、非常に効果的な“読むインプット”を生み出すことができます

ストップ&ゴーでは、思い返しやまとめ作業を頭の中だけで行うことが重要です。

該当する箇所をいきなり読み返してしまっては、脳のエンゲージメント効果は上がりません。テキストに頼らず、頭だけで思い出すために「ストップ」したら目を閉じましょう。目を閉じて思い出すことで、テキストに頼らないで考えることができます。

この記事へのコメント

Pencilコメントする

コメントはまだありません。

【オトナの5分読書】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo