2024.08.21
SPECIAL TALK Vol.119
キーパーの重要性を見抜き、自分から志願する
金丸:オメイヤーさんは、名ゴールキーパーとして知られていますが、最初からポジションはキーパーだったのですか?
オメイヤー:いえ。9歳くらいから地元の小さなクラブに所属していましたが、キーパーになったのは12歳の時です。単純にやってみたかったというのもありますが、大きな理由は、良いキーパーがいるかいないかで、チームの成績がまったく変わることに気づいたことです。
金丸:たしかに、ハンドボールではゴールキーパーの存在は大きいですよね。私も始めたばかりの頃は、シュートを投げても投げても全部読まれてしまって驚きました。
オメイヤー:だからチームを強くするために、キーパーを志願したところ、ほかにも希望者がいたので、チームの中で誰が一番向いているかを競うことになりました。そこで勝ち残ったので、私が1シーズンやることになり、それ以来、ずっとゴールキーパーです。
金丸:キーパーの重要性に気づいて、自らポジションを取りにいったんですね。ゴール前の半径6メートルのエリアは、キーパーしかいません。重要なポジションだからこそ、プレッシャーも大きいのでは?
オメイヤー:そうですね。すべてのシュートを防ぎ切ることは、不可能です(ハンドボールの平均的な試合のシュート数は、50〜60。うちゴールは20〜40)。ゴールを奪われるたびに悔しい思いをするけれど、気持ちを切り替えなければいけません。だからゴールを守るためには、スピードやフィジカル、瞬発力だけでなく、精神力が重要なんです。シューターに対して、心理的なアドバンテージを持って対峙できるように努めることが求められます。
金丸:プロになりたいと思ったのは、いつ頃ですか?
オメイヤー:いつ頃かと聞かれると、ちょっと答えるのが難しいですね。子どもの頃から、漠然と「将来はプロとしてやりたい」という気持ちがありましたから。本当に幼い頃からハンドボールに親しんできたので、自然とそう考えるようになったんだと思います。
金丸:最初は地元のクラブでプレーし、その後、どのような転機があったのでしょうか?
オメイヤー:転機は15歳の時に、学校のチームで国内の大会に出場したことですね。そこでのプレーが認められて、ストラスブールのチームにスカウトされました。ストラスブールはヨーロッパでも大きな都市で、EU欧州議会の本会議場があります。
金丸:では、その時に故郷を離れたんですね。
オメイヤー:はい。ストラスブールに移ってからは、毎日ハンドボールを練習するようになり、自分の中で「このままずっとハンドボールをやっていきたい」という気持ちが一層強くなりました。トレーニングだけでなく昼間にはスポーツに関する座学も受け、高校卒業後は18歳でセレスタというクラブに所属し、念願のプロになりました。
金丸:確認ですが、ご両親はプロの選手ではなかったんですよね?
オメイヤー:プロではありませんし、そもそも父と母の時代にプロリーグはありませんでした。ただ、父は上手かったので、もう少し上のレベルでプレーしないかという誘いも受けたそうです。でも、すでに仕事もしていたため両立するのが難しく、仕事を選んだと聞いています。
金丸:ご両親とも、オメイヤーさんがプロになって嬉しかったでしょうね。
オメイヤー:両親の支えがなければ、私がプロになることも、その後の活躍もなかったと思います。両親には心から感謝しています。
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