SPECIAL TALK Vol.119

~すべてを制覇したい気持ちは変わらない。経営陣になっても燃えたぎる闘志がある~

両親ともハンドボール好き。自分も自然とのめり込んだ


金丸:オメイヤーさんはフランスのどちらのご出身でしょうか?

オメイヤー:スイスとの国境に近い、アルザス地方のミュルーズというところです。そこで15歳まで暮らしていました。

金丸:私はワインが大好きなんですが、アルザスのワインは有名ですよね。ミシュランの三ツ星を50年連続で獲得し続けている『オーベルジュ・ド・リル』もあります。長年、日本のフランス料理界を牽引し、以前対談させていただいた三國清三シェフも、そちらで修業されたことがあるそうですよ。

オメイヤー:ワインも美味しいし、食でいうと、シュークルット(煮込み料理)やタルトフランベ(アルザス風のピザ)といった郷土料理も美味しいのでお勧めです。アルザス地方は家屋の造りも特徴的で、木組みの家が並んだ町並みは「絵本のよう」ともいわれます。そんな地域で育ったことは、私にとってとても大事なことです。

金丸:オメイヤーさんは、やはり子どもの頃からハンドボールをされていたのでしょうか?出合ったきっかけを教えてください。

オメイヤー:始めたのは6歳の時ですね。両親ともにハンドボールが大好きで、観るだけではなくプレーもしていたので、私も2〜3歳の頃からコートに遊びに行っていました。それがごく普通のことだったし、自然と自分でもやるようになり、うちの家族にとって週末は「ハンドボールの日」になっていましたね。私には双子の兄弟がいて、ハンドボール以外にも柔道とかいろいろなスポーツを一緒にやっていました。おかげで楽しかったし、競争心を養うこともできました。

金丸:ハンドボールが身近にあるのが当たり前の環境だったんですね。私が始めたのは、高校生の時です。それまではずっと野球をしていたので、高校でも野球部に入るつもりで見学に行ったら、その日は対外試合で野球部がいなかったんです。それで、ハンドボール部へ入部を希望する友達がいたので、一緒について行ったところ、先輩が「見学するだけじゃなくて、投げてみたら」と。自分には野球の経験があるし、簡単だろうと思って投げてみたら、ジャンプをして投げるのがすごく難しかった。なかなかうまくいかなくて、ムキになって何度もやっていたら、いつの間にかハマってしまった、というパターンです(笑)。

オメイヤー:そうなんですか。スポーツは何がきっかけになるか分かりませんね(笑)。

金丸:日本ではハンドボールはまだまだマイナースポーツなので、残念ながら知らない人も多いのですが、オメイヤーさんにとって、ハンドボールの魅力はどんなところにあると思いますか?

オメイヤー:ハンドボールはプレーするのも楽しいですが、見るのもすごく楽しいスポーツですよ。スピード感があって、試合時間の60分の間に何が起こるか分からない。躍動感のある美しいゴールもあるし、美しいセーブもある。何よりもチームが一体になって動くダイナミズムがあります。

金丸:それにパワーもありますよね。選手同士の接触も、バスケットボールよりも数段激しい。いまとなっては厳しくファウルを取るようになりましたが、私がプレーしていた学生時代は、本当にひどくて。審判に見えていなければ何でもアリ。見えないところで横っ腹を殴られたり膝蹴りされたり。ジャンプすれば相手から肘打ちを食らうので、それをかいくぐってシュートを打たないといけない。その対策のための練習もしていました。

オメイヤー:格闘の要素が強すぎて、それだとハンドボールとは違う競技ですね(笑)。でも、まだ見たことがない人には、試合を見て、ハラハラドキドキを味わってほしいです。退屈しないというのは、スポーツとしてすごく魅力的な要素ですから。

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