
~歌舞伎役者を夢見た少女だから、歌舞伎役者の母としてできることがある~
令和のニューリーダーたちに告ぐ
2023年5月、10歳の歌舞伎役者が歌舞伎座で初舞台を踏んだ。その名は尾上眞秀(まほろ)。母は女優の寺島しのぶ氏、父はフランス人実業家ということでも話題を呼んだ。
歌舞伎の家に生まれた寺島氏は、女性は歌舞伎の舞台に上がれないことを知らないまま、純粋に歌舞伎役者になることを夢見ていた。
しかし、その夢が破れると、代わりにスポーツに打ち込み、さらには女優の道を進むことを決断する。
寺島氏にこれまでの歩みや、父、息子を通じて見える歌舞伎の世界、出会ってすぐ運命を感じた夫との生活を語り尽くしてもらい、歌舞伎の未来を考える。
金丸:本日は女優の寺島しのぶさんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。
寺島:こちらこそ、お招きいただき光栄です。
金丸:今日の対談の舞台は東麻布の『OLINA』です。スペインの血が入ったフランス人シェフと、パートナーでファッションデザイナーだった奥さまの共同運営というユニークなお店です。フレンチをベースに日本の食材や発酵文化を取り入れた、見た目にも楽しい料理をいただけるそうです。
寺島:シェフはフランスの方なんですね。お料理もとても楽しみです。
金丸:さて、寺島さんといえば、女優として活躍されていらっしゃるのは誰もが知るところですが、実は私と共通点があります。
寺島:ハンドボールですね。今日の対談はきっと、金丸さんが語るハンドボール愛が止まらないだろうと思ってます(笑)。
金丸:寺島さんのハンドボール愛もすごいですよ(笑)。お互い、学生時代はハンドボールにのめりこんでいましたからね。私は現在フューチャーグループ内に 「ジークスター東京」というハンドボールチームを持っています。昨年、ヨーロッパ最強といわれるフランスの名門チーム「パリ・サン=ジェルマン」を日本に招いて「ジークスター東京」と国際親善試合を行った際は、寺島さんに始球式をお願いしました。
寺島:ユニフォームを着て、シュートをする。それだけなんですが、もうめちゃくちゃ緊張しました。
金丸:見事なシュートでしたよ。会場の人たちもびっくりしたんじゃないでしょうか。それに、寺島さんの登場前にオープニングを飾った、長男の眞秀さんの日本語とフランス語の口上も素晴らしかったです。今日は寺島さんのこれまでの歩みだけでなく、歌舞伎界のことや眞秀さんのことまで、いろいろとお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。