2024.07.20
SPECIAL TALK Vol.118
「歌舞伎役者になる」。叶わないと知らなかった夢
金丸:寺島さんはどんなお子さんだったんですか?
寺島:まったく落ち着きのない子どもでした。
金丸:いまの寺島さんを見ていても、活発なお子さんだったんだろうなと。
寺島:けがもしょっちゅうしていました。弟(五代目尾上菊之助)は5歳年下ですが、私がどんどん危険に踏み込むものだから、それを見て学習して。
金丸:優秀な反面教師だったんですね(笑)。ご両親は寺島さんに「これはやっちゃダメだ」とか言うことはあったのですか?
寺島:少なくとも父に言われた記憶はないですね。そのあたりは母任せだったし。
金丸:将来の夢はありましたか?やっぱり女優になりたかった?
寺島:女優じゃなくて、歌舞伎役者になるつもりでした。歌舞伎を見るのが習慣だったし、楽屋にだって出入りしている。歌舞伎を見ている時は、いつも自分が舞台に立っているのを想像しながら見ていたくらいでしたから。
金丸:自然と「自分もやるんだ」と思っていたんですね。でも実際には、女性は舞台には立てない。
寺島:だからそれを理解した途端、夢としては終わりました。日本舞踊とか、歌舞伎に関係する楽器のお稽古もしていたんですけど。
金丸:それは「やりなさい」と言われて?
寺島:いえ、自分がやりたくて。だけど、私が中学に上がる前に弟が舞台デビューして。
金丸:「あれ、私は?」と思いますよね。
寺島:そう。そこで初めて、「え?私は出られないの!?」と気づいて。
金丸:それまでに、ご両親とそういう話はされなかったんですか?
寺島:あとあと母と話したことがあるんですよ。「なぜ歌舞伎役者になれないって言ってくれなかったの」って。そしたら母は「分かっていると思っていた」と。舞台に立てないと知ってからは、それまで一生懸命やっていたお稽古も完全にやる気がなくなって、全部やめてしまって。一時期、歌舞伎もまったく見なくなりました。
金丸:相当なショックを受けられたかと。
寺島:生まれた時から歌舞伎座に出入りしていたけど、私は別に必要ないんだなって思ったら、歌舞伎のことなんて考えたくなくて。それで代わりに、学校の部活に打ち込むように。
金丸:それがハンドボールだったんですか?
寺島:中学の時はバレーボールで、ハンドボールは高校からです。当時の青学は、ハンドボール部がすごく強くて。といっても、東東京ブロックで確実にベスト4に入る、くらいですけど。
金丸:レベルの高い東京で、ベスト4なら十分ですよ。寺島さんの高校時代のプレー映像を拝見させていただきましたが、エースでしたね。すごく格好良かったです。
寺島:ありがとうございます。高校の3年間は、本当にハンドボール漬けでした。太ももはパンパンに太くなったし、疲労骨折するくらい熱が入っていましたね。
金丸:まさにスポ根ですね。
寺島:でも、ただのスポ根じゃないですよ。私たちのチームが来ると、男子がワッと寄ってきましたから。
金丸:えっ、なぜですか?
寺島:強い学校の選手は、髪が短めで、靴下も短くて、というのがお決まりだったんです。でも、私たちのチームは髪の毛が長い子が普通にいたし、ハイソックスだったので。
金丸:要は、かわいかったということですね(笑)。
寺島:そういうことですね(笑)。だから、注目される気持ち良さはありました。
金丸:それで強いんだから、すごく格好いい。チャラチャラしていて弱かったら、目も当てられません(笑)。
寺島:ただ、意地悪もされましたよ。長い髪の毛に松ヤニをべとーっと付けられたり(ハンドボールではボールを握りやすくするために松ヤニを使用する)。
金丸:ええっ、それはひどいやっかみですね。
寺島:でも、そんなことをされてもめげませんでしたけどね。本当に楽しかったから。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2025.03.21
Vol.126
~「できない」「分からない」の楽しさを伝えたい。万博プロデューサーとして想いを「クラゲ」に込める~
2025.02.21
Vol.125
~卒業して気付いた「まだまだ何でもできる」。元アイドルの肩書に縛られず、自由に挑戦を続けたい~
2025.01.21
Vol.124
~丹後を日本のサン・セバスティアンに。地方の「お酢屋」がまちづくりを考える~
2024.12.20
Vol.123
~モデルから放送作家へ。異色の経歴は恐れずに踏み出した証拠~
2024.11.21
Vol.122
~自分の体を認めることが、自分を好きになるための第一歩になる。~
2024.10.21
Vol.121
~スポーツの喜びをより多くの人が体験できるよう、これからも挑戦はやめない。~
2024.09.21
Vol.120
~日本の農業が続くための仕組みを作り、アップデートできるよう挑み続ける~
2024.08.21
Vol.119
~すべてを制覇したい気持ちは変わらない。経営陣になっても燃えたぎる闘志がある~
2024.05.21
Vol.116
~多くの人の期待と希望を背負う街づくりほど、面白い仕事はない。~
2024.04.19
Vol.115
~この楽器だからこそできる表現を。歴史ある箏を武器に世界を目指す~
おすすめ記事
2024.06.21
SPECIAL TALK Vol.117
~1杯で幸せになる利他的なコーヒーを目指して~
- PR
2025.03.31
結婚1年目から、激務のせいでギスギス…。崩壊寸前のパワーカップルを救ったアイテムとは?
2025.03.11
経営者がリアルに選ぶ“ビジネス会食”の名店8選。大人同士の距離が縮まる理由とは?
2023.05.31
「港区で食事会」ならこの店が喜ばれる!艶やかな個室を備えたレストラン4選
- PR
2025.03.31
えっ、あの“ミャクミャク”の部屋に泊まれる!?どっぷり万博に浸れる、いまだけのホテルステイとは…
2016.10.17
彼が言うなら間違いない!松岡修造が伝授する“デキる人”になるための10ケ条
- PR
2025.02.12
【豪華プレゼントが当たる】「所有欲が掻き立てられます…」人気セレブ夫婦が魅了された“マセラティ”の車とは
2023.08.30
ハラスメント探偵~通報編~
同僚の女性に、デスクに置いた“アレ”を「セクハラ」だと訴えられた理由
- PR
2025.03.27
7種類ものフレーバーが楽しめる! この春、台湾生まれのフルーツビールが話題!
- PR
2025.03.28
ほろ酔い美女の正体とは!?17LIVEの人気ライバー4人を、港区のバーにお連れしてみたら…
東京カレンダーショッピング
ロングヒット記事
2025.03.19
運命なんて、今さら
初めて彼のマンションを訪れた28歳女。しかし、滞在10分で、突然「帰りたい」と思った理由
2025.03.22
男と女の答えあわせ【Q】
「豊洲に住んでいる」と33歳男が言った途端に、デート相手の女が戸惑ったワケ
2025.03.23
男と女の答えあわせ【A】
「年収800万くらいでもいいかな…」相手に求める条件を妥協したつもりの30歳女の大誤算
2025.03.17
1LDKの彼方
「何もないって言われたけど…」彼氏が他の女と連絡を取っていたことが発覚。30歳女は思わず…
2025.03.20
TOUGH COOKIES
「幸せそうな彼女がなぜ?」SNSで悪質コメントの犯人を突き止めたら、意外な人で…