夏の恋 Vol.19

デートで終電を逃して「タクシーで帰る」という川越に住む29歳女性。本音は…?

「うん、いつも通り終電までなら」
「OK、OK!詳細はまた連絡するね〜!」

愛はそう言いながら、化粧室の個室に入っていった。

― 20時スタートか…終わるの遅そうだな。

実家住まいの私の家は、埼玉の川越駅からバスで20分のところにある。

だから、都内から帰る時はバスの終電時間も計算して、遅くとも22時半までには電車に乗らないといけないのだ。

愛からは「そんなマインドでは結婚どころか、彼氏もできない」と何度も忠告されたが“終電を逃すのはもったいない”という気持ちの方が勝る。

それに、埼玉に実家があるのに、東京に一人暮らしするのもバカらしい。

― まぁ、彼氏ができないのは実家暮らしのせいもあるっていうのは、認めるけどさ…。


愛は香川県出身で二子新地に一人暮らしをしているが、「世田谷に住んでいる」と小さな嘘をつくのが自己紹介の定番となっている。

彼女は、その嘘がいつか本当になることを信じて疑わないからすごい。

「毎晩外食しているから食費はほとんどかからないし、光熱費の節約にもなる。だからタクシー代は惜しまない」と聞いた時は、心から拍手を送った。

打算的で野心があるところは、私も少しは見習うべきなのかもしれない。

― なんていうか、地方出身者は強いなぁ…。

リップをポーチに戻しスマホを確認すると、ちょうど定時を1分過ぎていた。


私も愛も29歳。彼氏が欲しいのは当然で、近い将来、結婚だってしたい。

愛と食事会に行く最大の理由は、もちろんそこにあるのだ。

うちの会社にはお盆休みはなく、夏休みは交代制。だから社内で夏らしさを感じることはない。

今いい感じの男性がいるわけじゃないから、たとえ食事会でも私にとっては立派な夏のイベントになる。

それに、愛が幹事だとお店は間違いないし、男性のレベルも高く断る理由がないのだ。

この記事へのコメント

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No Name
来週はまた別の話みたいだけど一話完結でこんな終わり方でいいのか?
2024/08/09 05:1744返信3件
No Name
結婚願望有りの29歳実家暮らし、終電で帰るからずっと彼氏出来ず。タクシー代がもったいない、スキンケアはドラコスで....とか
そんな女が美容外科医との初デートで終電を逃しましたとさ。それだけ? 夏休みの絵日記レベル。
2024/08/09 05:2532返信2件
No Name
定時前にトイレに行き、トイレ出たら定時過ぎてる。
一日の最後、働いてないじゃん。
2024/08/09 07:1624返信1件
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