夏の恋 Vol.18

「家で飲み直そう」ずっと好きだった彼に誘われ、そのまま泊まった26歳女性。しかし、翌朝…

この季節が来るたびに思い出す、あの人のこと。切ない思い。苦しくて泣いた夜…。

うだるような暑い夏が今年もやってきた。

これは、東京のどこかで繰り広げられる夏の恋のストーリー。

▶前回:高級ホテルで1人過ごす夏休み。滞在最終日の朝、目を覚ますとそこは自分の部屋ではなく…


渋谷の夏/美和(26)


「美和?」

日が沈んでもなお暑い、19時すぎの金曜の渋谷。

最近リニューアルしたSHIBUYA TSUTAYAの前で、急に名前を呼ばれた。

「美和、だよな!やっぱり」

聞き覚えのある中低音の声の持ち主に、私は視線を向ける。

「あ… しん」
「久しぶり〜!!全然変わってないからすぐわかったわ。誰かと待ち合わせ?」

「慎吾」と私が言う前に被せてくるところが相変わらずだ、と思いながら、私はコクンとうなずく。

けれど、嘘だ。待ち合わせの相手は、今日は来ない。

なぜならつい5分前、マチアプ経由で知り合った男性にドタキャンされたから。

「そっかぁ。俺も今日は会社の人たちと飲みでさ。今度、久しぶりに飲もうよ。LINEするよ。“全然変わってない”は嘘。美和、大人っぽくなったな」

「ありがと、慎吾も」

遠野慎吾。忘れもしない。

彼は私が青学にいた4年間、ずっと片思いをしていた人。

大学を卒業して、旅行会社に勤めて3年。仕事は毎日同じことの繰り返しだし、出会いがないことを言い訳にして、積極的に恋もしてこなかった。

慎吾に出会えたことは、パッとしない私の人生には刺激的な出来事だった。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
実は祐奈が彼女でしたというオチならひどくつまらない。4人で集まった時に特定の彼女居ないか聞いたのは何だったんだ?と思うし。 慎吾は不特定多数と遊びまくってそうだから祐奈もその中のひとりなだけか。
2024/08/02 05:4533返信1件
No Name
また違う種類のダンゴムシとチャラ男の話か。
2024/08/02 05:1926返信2件
No Name
祐奈が慎吾の彼女だったらひどいねー
2024/08/02 06:3818
もっと見る ( 17 件 )

【夏の恋】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo