SPECIAL TALK Vol.116

~多くの人の期待と希望を背負う街づくりほど、面白い仕事はない。~

金丸恭文氏 フューチャー株式会社 代表取締役会長兼社長

大阪府生まれ、鹿児島県育ち。1989年起業、代表取締役就任。


グローバル都市間競争で、東京を圧倒的ナンバーワンに


金丸:辻さんは、今後は何に注力される予定でしょうか?

辻:まずは麻布台ヒルズをちゃんと軌道に乗せることですね。せっかく来ていただいたのに、「なんかつまんない」と思われたら、2度目はありません。

金丸:ちなみに、新たなヒルズの計画はあるんですか?

辻:麻布台ヒルズと六本木ヒルズの間のエリアで計画中です。約10ヘクタールの規模なので、広さにおいては麻布台ヒルズ以上ですね。

金丸:それは楽しみです。

辻:新しい街をつくるだけでなく、東京の狭いエリアに集中しているヒルズ同士のつながりをより強めていきたいと考えています。それができれば、都市の国際競争力の観点から言っても強い磁力になれるはずです。

金丸:森ビルは、東京の都市としての競争力をかなり意識していらっしゃいますよね。

辻:よく「地方創生のためには、東京一極集中を是正すべき」と言われます。森ビルも「東京の開発ばかりしている」と指摘されますが、実は地方都市の再開発のお手伝いもしています。ただ、私は東京一極集中を是正しても、地方都市自身が良くならなければ良くならないと考えているんです。

金丸:東京は国際都市ですから、グローバル競争ですよね。

辻:おっしゃるとおりです。東京はニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポールといった世界の主要都市と戦っています。負けてしまえば、日本全体がダメになる可能性がある。だから日本が、そして東京が世界の企業や人々に選ばれるために、もっともっと魅力的な街にしていかないといけません。

金丸:麻布台ヒルズもスタートアップやベンチャーキャピタルの拠点があり、チームラボのようなアーティスト集団も入居していて、さらにはブリテッシュスクールまである。もはや街というか、小さな国のようです。

辻:ニューヨークのマンハッタンなどと比較しても、世界でも東京ほど規模の大きい都市はないし、ポテンシャルとしては、世界のどの都市にも負けていません。今後、グローバルの都市間競争に勝つために、政官民が一体となれば、世界の都市の中で圧倒的なナンバーワンの地位を築けるはずです。

金丸:街づくりの最前線で仕事をされている辻さんのお話を伺っていると、とても面白そうで、うらやましくて仕方ありません(笑)。

辻:それは最高の褒め言葉です。「街づくりほど面白い仕事はない」と常々言っていますから(笑)。

金丸:私が身を置くIT業界とは違う、究極のリアルな仕事と言えますよね。

辻:だから、社員には「必ず現場に足を運んで、自分の目で見て感じてほしい」と言っています。コロナ禍では「今後、オフィスはなくなる」と言われていましたが、私は絶対にそんなことはないと思っていました。リアルで対面するからこそ感じられるもの、生まれるものがあると信じています。

金丸:それこそ今日だって、直接お会いしてお話を伺えたからこそ、最高の時間になりました。「世界一の街、東京」を実現させるためにも、私も微力ながらお手伝いさせていただければ嬉しいです。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。

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