SPECIAL TALK Vol.116

~多くの人の期待と希望を背負う街づくりほど、面白い仕事はない。~

令和のニューリーダーたちに告ぐ


2023年11月、東京・港区に新たな街が生まれた。

約8ヘクタールという広大な敷地に誕生した「麻布台ヒルズ」には、オフィスや住居だけでなく、文化施設や予防医療センター、ホテル、インターナショナルスクール、そしてビジネスの最先端を走るベンチャー企業を支えるベンチャーキャピタルが入居し、さらには広大な緑も広がる。

そのプロジェクトを森ビル社長として先導したのが、辻 慎吾氏だ。社長就任以前には、六本木ヒルズの都市再開発やその後の運営の責任者として奮闘してきた。

大都市東京を象徴するヒルズ群と、それをつくり上げる森ビル。

社長である辻氏がどのように街づくりと向き合ってきたのかをひもときながら、東京の未来に思いをはせる。

辻 慎吾氏 1960年広島県生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了。1985年森ビル株式会社へ入社。六本木六丁目再開発事業推進本部計画担当課長、六本木ヒルズ運営室長、タウンマネジメント室長などを歴任後、2006年に取締役、2008年に常務取締役、2009年に副社長に就任。中国での開発事業におけるタウンマネジメント運営や日本国内での営業本部長代行、経営企画室長などを経て、2011年6月より代表取締役社長に。信条は「オープンマインド」。六本木ヒルズのブランドコンセプトであり、既成概念にとらわれず、新しい考えを受け入れる力を意味する。



金丸:本日は森ビル株式会社 代表取締役社長の辻 慎吾さんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。

辻:こちらこそお招きいただき光栄です。

金丸:今日の対談の舞台は、フランスでミシュラン一ツ星を獲得し凱旋帰国した北村啓太シェフによる『apothéose』です。今回は辻さんに場所をご用意いただきました。こちらでは、本場フランスの技法と日本食材の魅力が詰まった、フレンチガストロノミーをいただけるそうですね。

辻:すごく美味しいので自信をもってオススメします。北村シェフが次の挑戦の場を探していると聞き、我々から打診したんです。「森ビルと組めるなら、帰国をしてチャレンジしてみたい」と、パリでの成功や人脈もある中、ご家族も説得して、オファーを受けてくれました。

金丸:そうだったんですね。昨年10月にオープンした虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの最上階という最高のロケーションです。

辻:皇居やスカイツリーが目の前に見えるし、レインボーブリッジも見えます。夜は特に素晴らしい景色ですよ。

金丸:森ビルといえばこの虎ノ門ヒルズの他、六本木ヒルズ、表参道ヒルズといった大規模再開発で知られています。そして昨年11月には、麻布台ヒルズがオープンしました。

辻:実は麻布台ヒルズの構想は、35年前から始まっているんです。

金丸:えっ、そんなに前から!?

辻:我々が手掛ける大規模再開発には、数多くの権利者がいらっしゃいます。しかも麻布台ヒルズの場合、ビジネス街や店舗が連なっていたわけではなく、もともとは住宅街です。約300名の権利者の方々と粘り強く交渉する必要がありました。

金丸:麻布台ヒルズのお話も楽しみです。今日は辻さんの生い立ちから現在に至るまでをじっくり伺いながら、東京をけん引する森ビルの哲学をひもときたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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