2024.04.19
SPECIAL TALK Vol.115令和のニューリーダーたちに告ぐ
奈良時代に中国から伝わったとされる長い歴史を持つ「箏」(こと)。
ともすれば古臭いと思われてしまう箏だが、箏曲(そうきょく)家として、そんなイメージを覆すかのような活躍をしているのが、LEO氏だ。
2014年に、16歳で全国的な邦楽コンクールで最優秀賞を受賞。その後、19歳でアルバムをリリースし、メジャーデビュー。
クラシック奏者などとも共演し、邦楽・洋楽というジャンルの垣根を越えて、自身と箏のファンを増やし続けている。
長い伝統を持つ邦楽の奏者でありながら、それにとらわれず自由な発想で活動できるのはなぜか。そして、若い箏曲家はこれから何を目指すのか。
LEO氏 1998年横浜生まれ。9歳より箏を始める。音楽教師であり箏曲家のカーティス・パターソン氏の指導を受け、のちに箏曲家 沢井一恵氏に師事。16歳でくまもと全国邦楽コンクール史上最年少で最優秀賞・文部科学大臣賞を受賞。一躍脚光を浴び、2017年19歳でメジャーデビュー。同年、東京藝術大学に入学。2022年、箏奏者として初めて『ブルーノート東京』でライブを開催。また同年「サマーソニック」に異例の出演を果たしたことでも話題を集めた。伝統を受け継ぎながら、箏の新たな魅力を追求する若き実力者として注目と期待が寄せられている。
◆
金丸:本日は箏曲家のLEOさんをお招きしました。お忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございます。
LEO:こちらこそお招きいただき光栄です。
金丸:今日の対談の舞台は中目黒の『quinto(クイント)』です。紹介制のプレオープンを経て、昨年9月から一般公開。和の技術を用いながら作られる、イノベーティブ・フュージョンを楽しめるそうです。
LEO:料理も楽しみです。実は、僕の師匠の沢井一恵先生はすぐお近くにお住まいで、このあたりは子どもの頃からよく通っています。
金丸:そうなんですね。これを機会に、今後もぜひ足を運んでいただければと(笑)。LEOさんはどんな料理がお好きなんですか?
LEO:肉も魚も好きですが、本番前はお肉を食べることが多いですね。
金丸:スポーツ選手だと、すぐ糖質に変わるパスタとかを食べる人が多いと聞きますが。
LEO:本番前日に気合を入れるため、焼肉を食べにいく感じです。逆に本番直前はほとんど食べません。楽屋にお弁当を準備していただくこともありますけど、空腹の方が集中力が高まる気がして。
金丸:なるほど。人前で演奏する機会って、どのくらいあるんですか?
LEO:不定期ですが、月に4〜5回ですね。
金丸:LEOさんは、何歳からプロの音楽家として活動されているのですか?
LEO:何をもってプロというか定義は難しいですが、日本コロムビアからデビューしたのが19歳の時です。
金丸:言うまでもありませんが、音楽で食べていけるのは、ほんのひと握りです。才能があるのはもちろん、運にも恵まれないといけません。
LEO:僕の実家は、音楽とは関係ない上に事業をやっていることもあって、プロの音楽家を目指すことにものすごく反対されました。だからこそ逆に「絶対に音楽で食べていこう」と思っていましたし、自分にできることを見つけてなんでもやってきました。
金丸:偏見かもしれませんが、プロの中でも邦楽奏者となると、なおさら難しそうですよね。
LEO:実際にそうだと思います。僕自身もプロデビューしてすぐ、箏だけでお客様を呼ぶことの難しさに直面しましたから。
金丸:正直、私も「箏の演奏会があるよ」と誘われても、わざわざ時間を作ってまで行くかどうか……。どれだけ素晴らしい演奏をされていても、やはり聴いてもらわないと意味がないですからね。
LEO:なので数年前から、クラシックのアーティストと一緒に演奏する機会を増やしています。西洋的なリズムのとり方やフレーズの作り方など邦楽奏者にはない部分を学べたことで、表現の幅が広がりました。何より、より広い層に聴いてもらえるようになったのが嬉しいですね。
金丸:LEOさんのYouTubeチャンネルには、スタジオでの録音以外にライブ映像もあります。おひとりで伝統的な曲を演奏されているものもあれば、まったく印象の違うトリオ編成もあって、すごく面白いですよね。
LEO:ありがとうございます。最近はチェロとピアノとのトリオが1番多いかもしれません。今度はドラムを入れたいなと考えています。
金丸:一層ジャズっぽくなりますね。
LEO:まさに。ジャズの領域に挑戦したいんですよ。ピアノの役割を箏が担って、箏とチェロとドラムのトリオで。
金丸:想像するだけで楽しそうです。今日は伝統的な箏を武器に活躍するLEOさんのお生まれから、箏との出合い、そして今後についてじっくりお話を伺います。どうぞよろしくお願いします。
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