2023.11.21
SPECIAL TALK Vol.110
小学校2年生からサッカー漬けの生活
金丸:早速ですが、どちらのお生まれですか?
平野:栃木県宇都宮市です。
金丸:もともとサッカー選手を目指していたと伺っていますが、サッカーはいつ始めたのですか?
平野:小学校2年生の時です。小さい頃、すごく太っていて、しかも元気があり余っていたので、母に「サッカーか野球をしなさい」と言われて。
金丸:それでサッカーを。地域のサッカーチームに入ったのですか?
平野:はい。特別強いわけでもないのに、軍隊みたいなチームだったのを覚えていますね。放課後に3〜4時間練習して、土日もずっと練習で。休みは週に1回くらいでした。
金丸:「休むのは悪」みたいな価値観ですね。いかにも日本のアマチュアスポーツという感じがします。
平野:監督は60歳くらいの方だったので、そういう練習しか経験してこなかったんだと思います。おかげで技術はともかく、体力だけはつきました。
金丸:私の時代は「水を飲むな、ひたすら走り続けろ」が当たり前でしたからね。とんでもない時代です。
平野:中学校では、栃木県にある東京ヴェルディの下部組織に入りました。そこで初めて科学的なトレーニングを受けて、その違いにびっくりしました。その後は県選抜にも選ばれて。
金丸:それはすごい。プロチームの下部組織って、入るのが結構大変なのでは?
平野:今では県ナンバーワンぐらいのチームになりましたが、当時は設立したばかりだったので、まだ入りやすかったですよ。
金丸:高校はどちらに?
平野:ベガルタ仙台のユースチームに入ることができたので、提携している宮城県の仙台大学附属明成高等学校に進学しました。典型的なスポーツ校で、僕のふたつ下にはバスケットボールの八村 塁君がいました。
金丸:全国からエリートが集まる高校だったんですね。
平野:だから、自分が井の中の蛙だったことを思い知らされました。世代別の代表に選ばれるようなレベルがゴロゴロいて。チームに入った当初は、下から数えて1番か2番くらいに下手くそでした。
金丸:そんな環境でよく嫌になりませんでしたね。
平野:「この人についていこう」という先輩を見つけたんです。ものすごく練習するし、食事の研究もしていて勉強もできる。その先輩に食らいついてなんでもまねしていたら、徐々に試合に出られるようになりました。幸運なことに全国大会にも出場し、8位まで勝ち進んだことが自信につながりました。
サッカーを引退し、アメリカ進学を志す
金丸:それで、大学でもサッカーを続けられた?
平野:はい。サッカー推薦みたいな感じでしたが、1年生のうちにサッカーが嫌になって、結局大学も辞めてしまいました。
金丸:えっ、いったい何があったんですか?
平野:ユース時代は監督が元日本代表の方で、1日の練習時間は試合と同じ90分と、非常に科学的なトレーニングを行っていました。ところが大学に進学したら、また根性論に逆戻りで。
金丸:ええっ、また!?
平野:もともと朝練、昼練、夜練をしているのに、試合に負けるとさらに練習量を増やすんです。実際は練習のし過ぎで、みんな肉体的にも精神的にも疲弊しているのに。
金丸:練習量の問題じゃないでしょう。それでは負け癖がついてしまう。作戦を練るとか、頭を使うことに時間を使えばいいのに。
平野:自分で言うのもなんですけど、レベルの高い大学リーグに所属しているチームの中で、僕は期待の新人みたいな扱いでした。だけど、チームは負けるし、自分の実力も示せなくなって……。
金丸:それで嫌になってしまった。
平野:「こういう状況が続けば、半年で限界だな」と感じ、8月頃には両親にも相談しました。それまでずっと応援してくれたけど、父も母も「あと2ヶ月やってみて、それでも辞めたかったら辞めていいよ」と。
金丸:理解のある親御さんで良かったですね。
平野:本当に。それで10月頃に大学を中退して、サッカーも辞めることにしたんです。
金丸:プロスポーツ選手でも、引退後のキャリアで迷走する人は少なくありません。平野さんは、すぐに次の道を選ぶことができたんですか?
平野:いえ。僕もずっとサッカーをやっていただけで、人生やキャリアについて真剣に考えたことはありませんでした。なのに、強烈に「プロになりたい」と思っていたわけでもない。中途半端でしたね。
金丸:ちなみに勉強の成績は良かったんですか?
平野:まったく勉強してなかったです(笑)。そのせいか、「すごく勉強したい!」って思ったんですよ。
金丸:大学にいた時はサッカー漬けで、大学を辞めてから勉強したくなった(笑)。
平野:だから違う大学に入り直そうと思って。それも日本ではなく、アメリカの大学に。
金丸:それはまたどうして?
平野:英語と国際力を身につけたいと思ったからですが、一番大きかったのは、孫 正義さんの本を読んで感銘を受けたことですね。アメリカにはコミュニティ・カレッジという2年制の大学があり、そこでの成績次第でカリフォルニア大学バークレー校のような名門校に転入することもできると。
金丸:では平野さんも、孫さんがたどったルートを進もうと思ったんですね。
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