2023.10.20
SPECIAL TALK Vol.109
自分自身を信じて世界相手に挑戦を続けたい
金丸:青柳さんは何かに導かれるように、今に至っていますよね。
青柳:とても恵まれていると思います。本当に幸せ者です。
金丸:でもそれは、単にツイていたわけじゃなく、自分で引き寄せたんだと思います。多くの人はリスクを気にするあまり、本命とは別にいろいろなことに手を出してしまうじゃないですか。
青柳:たしかに私は書道一本ですから、よくよく考えてみるとすごいリスク(笑)。
金丸:でも、安全だけどつまらない道ではなく、ほかの人が通らないような道を歩いているからこそ、多くの人が応援したり支えたりしてくれるんですよ。
青柳:ありがたいですね。私がもし「そんな道は歩けない」と思っていたら、最初から歩かなかったと思います。「歩けるんじゃないかな」「歩きたいな」と思えたからこそ、今があるのかなと。
金丸:自己肯定感ですね。以前、教育先進国であるデンマークに視察に行ったとき、小学校の先生に「子どもの教育で一番大切なことは何ですか?」と尋ねました。そしたら、「子どもの自尊心を傷つけないことです。だからほかの誰かと比べてはいけません」という答えが返ってきました。
青柳:私もとにかく褒められて育ったので、よく分かります。
金丸:実は、私の母も褒めるタイプでした。特に根拠もなく「きっと立派な人間になるよ」って。そんなふうに言われたら、子どもは「そうかもな」と思えるじゃないですか。ところが日本の教育は、自己肯定感を高めるようにはなっていない。たとえば、漢字のテストでは「とめ」や「はね」がきちんとできていなかったり、書き順を間違えたりすると、かたちは合っていても不正解になる。ちゃんと読めるのにバツにするなんて、バカげてると思います。
青柳:それはそうですね。海外で筆を使って文字を書いてもらうワークショップをすると、みんな初めて筆を持つのにすごくうまいんですよ。
金丸:意外ですね。
青柳:これまでアメリカ、ヨーロッパ、マレーシアやインドネシアでやりましたが、特にインドネシアの人はすごく上手で。書き順はめちゃくちゃだけど、自由に書く。その様子を見て、私もまだまだ固定観念にとらわれているなと、逆に教えられました。
金丸:細かいところにダメ出しをするのではなく、良いところを見つけて褒めてほしいですね。
青柳:勢いのある字だったら「元気でいいね」って。
金丸:テストも100点満点からの減点方式ではなく、びっくりするような良い回答だったら120点とか、感動したから150点とかあげてもいいんじゃないかと。
青柳:面白いですね!150点もらえたら、もっともっと頑張ろうって思えます。
金丸:褒められた喜びを経験した子どもたちは、自分の可能性を信じていろいろな挑戦ができる。そんな人たちが増えたら、世の中は変わっていくと思います。
青柳:私は幸運なことに、4歳のときに自分の好きなことを見つけることができました。でも周りを見ると、「好きなことが見つからない」という人が結構います。だからこそ、何にでもチャレンジする気持ちがすごく大事だと思います。とにかく飛び込んでやってみないと、好きになるかどうかは分からない。まずは恐れずにチャレンジしてほしいですね。
金丸:好きなことを見つけるというのは、いろいろなことに挑戦して、消去法で自分に向いていないことを見つけることだと思います。
青柳:だから挑戦あるのみですね。そのためにも、自分自身を誰よりも信じてあげなきゃ。
金丸:その一番大事なことを、青柳さんに教えてくれたおばあさまは偉大ですね。
青柳:毎日感謝してます!
金丸:おばあさまの命日はいつですか?
青柳:……覚えてへん。でも、夏でした。
金丸:あかんあかん(笑)。とんでもないオチが。
青柳:でも毎日心を込めて手を合わせてますから!
金丸:今年はこれからどんなイベントがあるんですか?
青柳:11月には、東京のマロニエ通り銀座館ギャラリーで個展を開催します。
金丸:ぜひお伺いしたいと思います。最後に、10年後、20年後の目標はありますか?
青柳:世界で一番愛される字を書く人になりたいです。
金丸:心に響く目標ですね。きっとこれから先、青柳さんは書道パフォーマンスをさらに進化させて、より多くの人に感動を与えてくれることでしょう。若い世代に夢を与えるようなご活躍を私も応援しています。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。
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