SPECIAL TALK Vol.109

~世界で一番愛される字を書きたい。世界を舞台に活躍する書道家へ~


すべての始まりは祖母からの褒め言葉


金丸:早速ですが、ご出身はどちらですか?

青柳:大阪府の茨木市です。

金丸:私は枚方市生まれなので、淀川を挟んで向かい同士ですね。

青柳:ご近所だったんですね!私は今も大阪を拠点にしていて、月に2、3回、仕事で東京に行くという生活です。

金丸:青柳さんと書道の出合いはいつ、何がきっかけだったのですか?

青柳:始めたのは4歳のときですね。きっかけはおばあちゃんでした。

金丸:おばあさまが習字の先生だった?

青柳:いえ、和裁の先生でした。うちは2世帯同居で、おばあちゃんはいつも着物を着て和室にいました。大のおばあちゃんっ子だった私はずっと一緒の部屋にいて、おばあちゃんが生け花やお茶、書道をするのをいつも見ていました。

金丸:すごく文化的ですね。

青柳:いろいろ体験した中で、一番好きになったのが書道でした。それで、おばあちゃんからマンツーマンで習うように。

金丸:私も子どもの頃は書道教室に通っていました。でもじっとしていられなくて、すぐにやめてしまったのですが。

青柳:えー、もったいない!めちゃくちゃ面白いのに!

金丸:おばあさまの指導はいかがでしたか?

青柳:めっちゃ優しかったです。「ダメ」と言われた記憶がありません。おばあちゃんに限らず、うちの家族、みんなそうなんですよ。

金丸:えー、それはうらやましい。

青柳:とにかく褒めて育ててくれました(笑)。

金丸:最初に何を書いたか覚えていますか?

青柳:円相(えんそう、図形の丸を一筆で描いたもの)だと思います。そのあとは自分の名前をひらがなで書きました。何を書いても褒めてくれるので、すごく嬉しくて、毎日のように筆を持っていましたね。

金丸:最初から書道の楽しさを知るのは難しくても、褒められたら嬉しくなって、もっとやろうと思えたわけですね。ちなみに最初に書いた漢字は何ですか?

青柳:えっ、覚えてないです。

金丸:覚えときましょうよ、こういうときのために(笑)。

青柳:初めて聞かれました(笑)。

金丸:では、最初にもらった賞は?

青柳:京都の長岡天満宮という神社の競書大会です。4歳のときですね。

金丸:ということは、書道を始めてすぐに賞を?

青柳:はい、半年後ぐらいだったと思います。といっても、年齢とか学年別に評価されていて。4歳で出品している子がめっちゃ少なかったんだと思います。

金丸:すかさず応募したおばあさまは、なかなか読みが優れた方ですね(笑)。おばあさまはご健在ですか?

青柳:私が高校のときに亡くなりました。だから今の活動を見せてあげたいなって、いつも思っています。

金丸:おばあさまにはいつまで習っていたのですか?

青柳:実は、直接習った期間はすごく短いんですよ。

金丸:それはまた、どうして?

青柳:私は外で遊ぶのも大好きで、すごいお転婆だったんですね。でも、おばあちゃんとしてはお嬢様らしく育てたかったようで。外で泥んこになってザリガニを捕ってくる私に教えるのが嫌になったみたいで、「外の教室に行っといで」と(笑)。そこの先生もすごく優しくて、たくさん褒めていただきました。

金丸:教室にはどのくらいの頻度で通ったんですか?

青柳:本当は週1回でよかったんですけど、楽し過ぎるから週に3回行ってしまい、「そんな来んでええよ」と怒られて(笑)。

金丸:習い事に嫌々通う子もいるのに(笑)。小さい頃から本当に書道が大好きだったんですね。

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