ふっくらジューシーな鴨の旨みがすごい!創業75年の老舗が、麻布十番で新たな幕開け

1948年から代々続く鴨の名店『鷹匠鍋 あか羽』が、2022年12月に麻布十番に移転オープンした。

希少な「鷹匠鍋(たかしょうなべ)」で焼く鴨肉を提供する店として、早くも人気を博している。

長い歴史を受け継ぐ老舗の鴨の味は、やはり圧倒的。赤ワインを合わせて、十番らしい大人のマリアージュを楽しんで。

重厚感と趣のある扉が、店の歴史を感じさせる

1階だが落ち着いた佇まいで看板もさり気なく、通りからは目立たない。店主は生まれも育ちも東麻布のため、地元への移転となった


壁には、江戸時代に描かれた希少な鷹の襖絵。なぜこの絵を所有しているかといえば、もともと鷹匠の家系であり、宮内省主猟寮に認められて鴨料理を始めた店であるから。

1948年の創業以来、家業が受け継がれ、新店に立つのは5代目・赤羽峰明さん。父と祖父が鴨を料理する姿を見て育ち、自身も幼少から鴨をさばいていたとか。

夏の時期は合鴨で醤油のタレに揉み込んでから焼く。身は火を通し過ぎずジューシーに、脂はカリッとさせる大将による火入れは絶妙


創業から変わらず使う道具は、宮内省から譲り受けた1945年製の「鷹匠鍋」。

密度が高い玉鋼のすずりは、熱するとかなりの熱量を溜め込み、鴨の旨みを瞬時に閉じ込める


“奇跡の鉄”と称される玉鋼で作られ、新たに作ることは難しい代物だ。

赤羽家だからこそ繋がりのある生産者からの鴨を、大将自らが熱した鍋に置くと、それだけで甘い香りが漂い、高い熱伝導によりあっという間に鴨が焼ける。

焼きたてのふっくらとした鴨を口にすれば、噛む度に旨みが溢れだす。


鷹狩りで取った獲物をその場で食すためにつくられたとされる「鷹匠鍋」で鴨を焼く。

この伝統的な食べ方ができるのは都内で2軒だけ。


「鴨の内臓 3点盛り」。

右から南蛮漬けにした肝臓、塩炒めにして柑橘と葱を添えた砂肝、胡麻油煮にした心臓。

筍が入った「鴨の粽」。いずれも「鷹匠鍋コース」(15,000円)より


そんな逸品に常連たちが合わせるのは国産の赤ワインだ。

その甘美なマリアージュと空気感は、十番らしい大人の遊び。一度知ったら他へ行くのに気乗りしなくなるほどの魅力を放つ。

■店舗概要
店名:鷹匠鍋 あか羽
住所:港区麻布十番1-11-10 十番アネックス 1F
TEL:03-6277-8146
営業時間:18:00~22:00
定休日:日曜、祝日
席数:テーブル10席、カウンター4席

鷹匠鍋 あか羽(麻布十番) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

▶このほか:大人に愛され続ける元麻布の名イタリアン。黒アワビの冷製スパゲッティーニに陶酔

今月の『東京カレンダー』は「麻布十番の熱気」特集。新店が続々誕生しているこのエリアは今、かつてないほどアツい夏を迎えている。

ドキドキするような夜も、ワクワクするような夏も、すべてはこの街にある。この高まる盛り上がりに乗り遅れるな!

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