オトナの5分読書 Vol.3

ブランド物を身に着けていると得をする!?脳科学の観点から見ると驚きの事実が…

その理由は、無意識にでもなんらかの「見返り」を期待しているから

「ブランドの服を着たこの人のほうが、より多くなにかを与えてくれるに違いない…」そう考え、お金持ちに見える人に協力的になってしまうのだ。

そもそもの前提として、人間の脳は「価値」をうまく測ることができない。

それこそ「長さ」のような一見してわかるように思えるものですら、ものさしを使って測らなければわからないので、ある特定の人物の「信頼性」のような曖昧な価値が正確にわかるわけがない。

そのため、私たちはなにかを判断するときに、わかりやすい「見た目」を重視してしまうのだ。

世の中には「富の偏在」があるが、それには富のある人により多く与え、貧しい人には与えないようにするという、人間がもともと持つ性質が影響していると考えられる。


2. あなたが買ったブランドバッグは、本当に欲しかったモノ?


人間の脳がほかの動物と大きく異なる点のひとつは、ものごとの先々を予測し、判断するという「考える力」を持つ点だ。

そんな高度な脳を持っているのに、人はよく「いつのまにかお金がない」と悩んだり、「なぜあれを買ってしまったのか」と後悔したりする。

それは「これが必要」「あれが欲しい」と思って買っている、その判断自体が、誰かの仕掛けた意図に影響されている可能性がある

これは、かつての社会心理学者のソロモン・アッシュが行った「同調圧力」の実験であきらかになっている。

被験者に簡単なテストを行ったところ、最初の正解率は95%という結果だった。

次に、7人のサクラを加えて計8人でテストを行い、7人のサクラに間違った解答を述べさせる。

すると、被検者の正解率が一気65%にまで下がったのだ。

これはつまり、ほかの多くの人が選んだ答えに影響されて、被検者が自分の考えを変えてしまったということだ。

人間には多くの人が支持する選択に合わせると安心できる心理があり、そのほうが脳の認知負荷が下がって楽になれるといえるのだ


こうした人間の心理は資本主義が発達した現代社会において、消費者に物を買わせるために徹底的に利用されている。

例えば、物を売る人たちは何はともあれブームやトレンドを生み出す「きっかけ」を作り出そうとする。

なぜならある程度の人数をファンにさせてしまえば、あとは特別なことをしなくても、多くの人は簡単に他人の価値判断を優先させてしまうからだ。

ある傾向を持った集団や社会のなかにいるとき、あなたがお金を使ったその判断は、誰かに誘導された可能性が高いかもしれない。

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