きっかけは、1遍のエッセイだった―。
『私の、忘れられない冬』
ライターの希依(28)は、WEBエッセイに自身の過去を赤裸々に綴った。
その記事の公開日、InstagramのDMに不思議なメッセージが届く。
「これって、青崎想太くんのことですよね?LINE、知ってますよ」
平和だった希依の人生が、めまぐるしく変わっていく―。
◆これまでのあらすじ
希依は「DMの送り主は、親友・咲なのではないか」と思い至る。咲に直接聞こうとするが、電話はつながらない。しかし元カレ・想太から「今から会いたい」とのLINEが入る。
▶前回:夫に内緒で元カレに会ってきた女。帰宅後、夫に「あるコト」を気づかれ、冷や汗が…
『想太:一瞬でいいから会いたい。いま、広尾にいるんだけど』
想太からのLINEメッセージが、希依の脳内で、柔らかい声色とともに再生される。
大学時代から長いこと聞いてきた、優しくて深みのある声で。
― もう会わないって決めてたけど…。
窓の向こう、しきりに降り......
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