男女上京ヒストリー~12年目の悲哀~ Vol.11

30歳の彼らが導き出した、人生の答えとは?「男女上京ヒストリー~12年目の悲哀~」全話総集編

「あの頃の自分が思い描いていたオトナに、ちゃんとなれてる?」

高校卒業から12年。

これは様々な想いを抱えて上京してきた、男女の物語だ。

恋に仕事に、結婚に。

夢と現実の狭間でもがく30歳の彼らが、導き出した人生の答えとは?

「男女上京ヒストリー~12年目の悲哀~」一挙に全話おさらい!

第1話:交際2年目の彼氏がいる30歳女。プロポーズを期待していたのに…

「私、ここのフォカッチャ大好き。オリーブオイル、どれにする?」
「千紘が決めていいよ」

メインディッシュを平らげ、〆のパスタが運ばれてくるまでの間。幸太郎は急に真顔になって、ポケットから何かを取り出そうとした。

― くる。プロポーズだわ…!

心臓がバクバクと音を立て始める。しかし彼が取り出したのは、指輪なんかじゃなかったのだ。

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第2話:深夜の西麻布で、ぼんやりと信号待ちをしていたら…。女がいきなり顔を引きつらせ、凍り付いたワケ

「亜美さん入りました!よろしくお願いします」

黒服に誘導され、煌びやかなシャンデリアに照らされた私は、お客様の前でゆっくりとお辞儀をする。

「亜美です。お隣、失礼します」

顔を上げると、3人組の男性がワインを片手にニッコリ微笑んでいた。ここは財界人や芸能人が通う、大人の社交場。私はこの場所で、ラウンジ嬢として1人生き抜いてきた。

小さく会釈をして席に着くと、一番奥の席に座っていた男と目が合う。その瞬間、私は凍り付いた。

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第3話:初めての昼デート。待ち合わせ早々、彼女がバッグから取り出した“予想外のモノ”に、男は唖然とし…

「ごめん、疲れてて。ちょっと寝かせてくれないかな」
「…ひどい。昨日もすぐ寝ちゃったじゃん!」

葉子は立ち上がり、しなやかな身体をワンピースに通すと「もういい!別れる!」と叫んで、部屋を出て行ってしまった。

追いかけることは、しなかった。むしろどこかホッとしている自分がいる。ここ最近、彼女といると心が休まらないのだ。

しばらくして、葉子に謝罪のメッセージを打とうとスマホを開く。すると、ある女性から1通のLINEが届いていたことに気づいた。

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第4話:12年も会っていなかった友人から「結婚式に来て」と言われ…。式の途中、女が近寄ってきて告げたことは

気持ちを切り替えて12年前のガラケーをバッグに入れると、おろしたばかりのヴァレンティノのパンプスに足を入れる。今日は、浩二と亜美の結婚式なのだ。

2人が、まさか結婚するなんて。気まずいまま卒業して以来、亜美はもちろん高校時代の同級生とも疎遠のままだった。

― 式には誰が来るんだろう。

複雑な気持ちを抱えながら、会場の『The Place of Tokyo』へ向かうために、浜松町駅でタクシー待ちをしていた、そのとき。背後から、思いがけない人物に声を掛けられた。

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第5話:薄暗いバーの店内で怪しげな男から、いきなり茶封筒を手渡された29歳女。中に入っていたのは…?

「…あぁ!やっぱりもう、こんな仕事やりたくない」

日曜22時。まだ22歳だった人気アイドル・YUNAの自死について取材することになり、自宅で調べ物をしていると、いきなり電話が鳴った。

「今、YUNAと付き合ってたっていう男の人と飲んでるんだけど」

高校時代のクラスメイト・ムラタクこと、村林拓也からの突然の連絡。

「…すぐ行く!」

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第6話:エリート弁護士が30歳の女に振られた、想定外の理由とは

「…ごめんなさい。拓也くんとは付き合えない」
「えっ!?」

葉子さんとは友人主催の食事会で出会い、一目惚れしてしまった。だからなんとか連絡先を聞きだし、デートを重ねてきたのだ。

フレンチディナーから、ソファのある隠れ家バーへと誘い、この後は六本木の高級ホテルへ…。という予定だったのに。

「俺じゃ、ダメなのか?」

恐る恐る聞くと、彼女は大きく首を横に振った。

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第7話:男友達が電話中に、2枚の画像を送りつけてきて…?写真を見た女が唖然としてしまった、その内容は

正義感に燃えて書き切ったと思った、アイドルYUNAのスクープ記事。それも「結局は、大和の死に折り合いをつけるためだった」と思うたびに、自己嫌悪に陥る。

故郷に戻っても、心のモヤモヤはおさまらなかった。…だって恋も仕事も、すべてを失ったのだから。

― なんだか、浦島太郎になった気分だな。

誰にも会う気分になれず、数日間は実家に引きこもっていた。すると、スマホに着信があったのだ。

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第8話:イイ雰囲気の男友達と、2人きりでドライブしていたら。彼の様子が、いきなりおかしくなって…?

まだ夕方だというのに、辺りはすでに暗くなり始め、ひぐらしが鳴いている。数日前まで東京で過ごしていたのが嘘みたいだ。

「そう暗い顔するなって!ほらドライブ、楽しもうぜ!」

うつむく私の心境を察してか、ムラタクは大音量でTM NETWORKの『Get Wild』を流し始める。

リズムに乗る彼を横目に、ぼんやり窓の外を見ていたそのとき。突然、後ろのタイヤから「バンッ」と破裂音が鳴り響いた。

「えっ?ちょ、なに?」

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第9話:デート中、元カレにそっくりな男と遭遇してしまった。そのとき、女が咄嗟にとった行動は…

「どうかしましたか?」

ムラタクと地元・愛媛をドライブしていた私たちは、後輪がいきなりパンクしてしまい途方に暮れていた。

そこに、見知らぬ男性が声を掛けてきたのだ。真っ暗な山道にバイクを停めた彼が、近づいてきた瞬間。私たちは息をのんだ。

長いまつげと、少し癖のある前髪。そして弓なりの眉。彼は、12年前に死んだはずの恋人に、あまりにもそっくりだったから。

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第10話:元カレによく似た男が、突然目の前で謝罪を始めて…?彼が頭を下げていた、衝撃の理由とは

初秋の夜。真っ暗な山道に、5人の男女が佇んでいる。私とクラスメイトだった亜美、浩二とムラタク。そして12年前に死んだ恋人・大和の弟である大志くんだ。

「亜美が大和を、死なせたのか…?」

そして浩二が、強い口調で亜美を問いただしている。その言葉に彼女は黙ったままだ。目には大粒の涙を溜め、唇を震わせていた。

すると突然、バイクのヘルメットを被ったまま立ち尽くしていた大志くんが、予想もしなかった言葉をつぶやいたのだ。

第10話の続きはこちら

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