「食欲の秋」に突入した2022年の東京レストランシーンでは、注目店が続々と登場。
銀座和食の新店や、人気イタリアンが手掛けた焼肉店など、グルメな大人たちの間で話題を呼んでいる。
今回は艶やかなディナーを満喫するための良店を、厳選してご紹介しよう!
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※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
1.あの『銀座 しのはら』が手掛けた和食の新名店@銀座
『銀座 きた川』
名店で腕を磨いた新鋭ふたりが並び立つ日本料理店が、話題を席巻する
北川さんは、天ぷらをはじめとした揚げ物を担当する。揚げ場はカウンターに設えられており、北川さんの所作を眼前に望める。
油が客席に跳ねないよう特注のガードを取り付けた設計も万全だ。
北川さんは、篠原さんが銀座に移転した後の滋賀の店舗で『日本料理 きた川』を営んでいた人物で、いわば篠原さんの軌跡をなぞる形の東京進出となる。
そして、料理長となった島袋洋平さんは『銀座 しのはら』の初代料理長として篠原さんとタッグを組んだ人物。気心知れた、信頼のおける間柄だ。
「島原素麺 冷やし物」はコースの終盤に。涼しげな氷鉢盛りの一品は、残暑にもうれしい仕立て。
つるりとした喉越しともちもちの食感が特徴の島原そうめんに、焼き茄子と茗荷を添えて。
日本料理といえば、な椀物は「鱧 松茸 柚子 梅肉」。夏から秋へと移り変わる季節ならではの食材の競演“鱧松”だ。
お椀の蓋に描かれているのは、中国では吉祥柄とされる「こうもり」。こうした器の意匠でゲストを楽しませてくれるのも、日本料理の醍醐味だ。
料理はすべて、2ヶ月毎に内容が変わるおまかせコース(30,800円)からの一例。
極めて正統的な、数寄屋造りの店内。
カウンター中央よりやや奥側に、北川さんの揚げ場が設えられている。