― イイ男はすでに売約済み ―
婚活戦国時代の東京で、フリーの素敵な男性を捕まえるなんて、宝くじに当たるくらい難しいと言っても過言ではない。
待っているだけじゃ『イイ男』は現れない。
超絶ハイスペックな男性が寝顔に惚れ、キスで目覚めさせてくれてゴールイン…なんて、おとぎ話もいいところ。
現実は、うっかり寝ている間に誰かにさっさと取られてしまう。
これだと思う人を見つけたら、緻密な戦略を立ててでも手に入れる価値がある。たとえその人に、彼女がいても…。
◆これまでのあらすじ
大手外資IT企業に勤める凛(30)は、3ヶ月前に彼氏にフラれ、婚活市場へと舞い戻った。しかし、独身で彼女なしのいい男がほとんど残っていないことに愕然とする。
そんな時、涼子に「略奪恋愛」を勧められるが…。
▶前回:「何考えてるの!?」食事会にしれっと参加する既婚男。婚活を妨げ大迷惑なのに…
「わぁ、素敵!ジムというより高級ホテルみたいですね」
凛は涼子と会社帰りに、六本木にある高級ジムに来ていた。
「イイ男に出会いたいなら、高級ジムがおすすめ。知り合いが経営しているところがあるから、今度一緒に体験に行かない?」と誘われたのだ。
ビルの15階にあるそのジ......
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