小倉を代表する『天寿し』で修業後、世界のVIPが訪れる『すきやばし次郎』で9年研鑽。
あの小野二郎さんをもってして、「抜群の味つけ」と評された増田さんが腕を振るうこちらの鮨店。
国内外でのプロデュース業を経て、2年ぶりに東京・青山の地で復活した。
その成長を確かめるべく、全国の鮨ツウが押し寄せる名店の実力のほどはいかに…?
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※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
『すきやばし次郎』出身の気鋭の若手が独立と、鮨ツウらが色めき立ったのが2014年のこと。
その後、『鮨 ます田』を2020年に台湾「マンダリン オリエンタル 台北」に移し、国内外でのプロデュース業にも活躍の場を広げていた増田 励さんが、青山で再始動。
無駄な装飾を排した無垢な空間では、筋金入りの正統派江戸前鮨を味わえる。
かつてより穏やかに仕立てた酢飯が、鮨ダネと完璧な融合を果たす
増田さんいわく「シャリを少しだけ変えた」そうで、赤酢2種と米酢1種をブレンド。
以前のようなキリッと尖った酸味ではなく、ややまろみを出しつつコクをもたせたそうだ。それに合わせて、コハダなどは軽めに締めるなど、ネタの仕込みも微調整。
この“マイナーチェンジ”によって、実にバランスの取れた握りが生まれている。
米はパラッとした群馬産コシヒカリに、もちっとした山形産コシヒカリをブレンド。シャリ切りは1日3回。
すべて増田さん自身がやるのは、その日の握り加減を肌で感じるため。
日々研究を重ね、「酢飯が命」と胸を張る鮨の本流がそこにある。
常磐産の「マコガレイ」。艶やかな光沢が質の高さを物語る。
まぐろは名仲卸の『やま幸』から。
香りが豊かな「中トロ」は、滑らかな舌触りと脂の甘みを広げつつ、儚く消える。
対馬産の「穴子」。ふわっとシルキーな食感で、口中に旨みが広がる。
料理はすべてコース(35,200円)より。
コース序盤で中巻きが登場するのもユニーク!
つまみの間で供される「中巻き」。玉子や干瓢、椎茸、山牛蒡など8種の具を巻いてある。
土産に1本持ち帰る常連もいる、新たな名物だ。
以前に比べ倍以上の広さとなった店内は、檜のカウンターが映えるまさに舞台空間。
個室カウンターもある。
史上最年少で星に輝いたサラブレッドの帰還に、鮨ツウたちは歓喜する。
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東京…ひいては、全国の鮨を愛する大人たちを魅了する名店『鮨 ます田』。
わざわざ足を運んででも、その磨き上げられた確かな実力を堪能いただきたい!
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