SPECIAL TALK Vol.94

~いいか悪いかは、実験してみないと分からない。好奇心とデータを武器に未来のかたちを探る~

令和のニューリーダーたちへ


「若者が選挙に行くだけでは何も変わらない」「日本にはもっと格差が必要だ」。

新時代の論客として注目される成田悠輔氏だが、過激な発言は単なる思いつきでも、逆張りでもない。

東京大学、マサチューセッツ工科大学を経て、イェール大学で助教授を務めるという経歴を持つ成田氏。

サイバーエージェント、ZOZO、ソニーといった大手企業、あるいはニューヨーク市、シカゴ市、戸田市といった自治体とともに、データやソフトウェアを駆使して、ビジネスや公共政策の改良に携わってきた。

日本とアメリカ両国のさまざまな分野で活躍する成田氏は、今何を考え、これから何を成そうとしているのか。

成田悠輔氏 夜はアメリカでイェール大学助教授、昼は日本で半熟仮想株式会社代表。専門は、データ・アルゴリズム・数学・ポエムを使ったビジネスと公共政策(特に教育)の創造とデザイン。「社会的意思決定アルゴリズムをデータ駆動にデザインする手法」を開発し、機械学習ビジネスから教育政策まで幅広い社会課題に実装、多分野の学術誌・学会に査読付学術論文を発表する。事業者として、サイバーエージェント、ZOZO、ニューヨーク市、シカゴ市などと共同研究・事業を行う。著書に『22世紀の民主主義』など。テレビ東京『Re:Hack』のMC 、テレビ朝日『報道ステーション』などのコメンテーターやForbes、共同通信、Yahoo!ニュースのコラムニストなども務める。


金丸:本日はイェール大学の助教授でありながら、半熟仮想株式会社の代表も務める成田悠輔さんをお招きしました。お忙しいところありがとうございます。

成田:こちらこそお招きいただき光栄です。

金丸:本日の対談の舞台は『虎ノ門 空花』です。脇元かな子オーナーシェフは、ミシュランの三ツ星を獲得し続けている『かんだ』で修業を積まれ、鎌倉の『空花』は超人気店になりました。2020年に鎌倉から神谷町に移転。鎌倉野菜をはじめとする旬の食材をいただけるそうです。

成田:基本、粗食なので料理が楽しみです。

金丸:成田さん、日頃は何を食べているんですか?

成田:昨日は自宅で納豆を食べましたね。

金丸:確かにシンプルですね(笑)。成田さんとは以前から面識がありますが、最近ではテレビやWEB番組によく出演されていますよね。

成田:専門領域について単発でコメントする機会は、以前からちょくちょくありましたが、レギュラーとして出るようになったのは『報道ステーション』が最初です。それが昨年なので、メディアに出るようになって、まだ1年ちょっとくらいです。

金丸:YouTubeに成田さんの動画がたくさんアップされていますが、どの発言も過激なので、「この人、普通の会話できるの?」なんて思っている人がいるかもしれません。

成田:僕としては普通なつもりなんですけど。まあ、YouTubeにアップされているものの多くは、番組の一部の、特に極端な発言を集めたものですからね。

金丸:私も自分では普通のつもりでも、「おまえは変わってる」と散々言われてきましたから。

成田:せっかく発言するならちょっと変なことを話してみようかな、という気持ちも多少はあります。

金丸:アメリカの大学で助教授をされているということは、普段は日本とアメリカを行き来しながら生活しているんですよね。

成田:そうですね。コロナ禍前はアメリカにいる時間のほうが長かったのですが、今はちょうど半々くらいです。コロナウイルスが流行し始めたときにたまたま日本にいて、それからずっと過ごしているうちに、日本にいる癖がついてしまいました。

金丸:アメリカはどちらにお住まいなんですか?

成田:イェール大学のあるニューヘイブンです。ニューヨークのちょっと北にある大学の街ですね。ただ最近は、時期によってニューヨークにいたり、ボストンにいたりすることもあります。

金丸:イェール大学はハーバード大学、プリンストン大学に並ぶアメリカの東海岸を代表する大学です。そんな環境で研究している新進気鋭の学者が、今の日本をどう見ているのか、すごく興味があります。今日はじっくりとお話を伺いますので、よろしくお願いします。

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