2022.08.03
この恋が成就しない理由 Vol.1裕也:夏風邪は治りにくいから、ゆっくり休んで。お大事に!
― …それだけ?
あっさりとした裕也の返事に拍子抜けしながらも、こう続ける。
寧々:裕也くん、今何してるの?ちょっとだけ助けてほしいって言ったら、迷惑かな?
裕也:今、人と会ってるから…ごめん。
裕也:(犬が“ごめん”と頭を下げているスタンプ)
― うそ…。私だったら、好きな相手からこんなLINEがきたら、差し入れとかしに行っちゃうけど。しかも、土曜日だし、少しくらい遅くなっても大丈夫なんじゃ…。
でも、こんなふうにスタンプで終えられてしまったら、もう打つ手はない。
熱でぼんやりする頭で、裕也のLINEを反芻すると、胃がギューッと締めつけられて、余計に具合が悪くなりそうだった。
数日後。
寧々:このあいだは、ごめんね。回復しました!
裕也:元気になってよかったよ!
寧々:ありがとう!じゃあ、来週あたりまたご飯でも行かない?都合のいい日、教えてほしいな。
このLINEのあと、2週間待ったけれど返事はこない。
私からも追いLINEをしなかったら、それから1ヶ月音信不通になってしまった。
見ないようにしていたけれど、近況を知りたくなって裕也のInstagramを開く。
するとそこには、私が寝込んでいた日、河川敷でバーベキューをしている写真が投稿されていた。メンバーは、親しげな男女6人。裕也と、華やかな顔立ちの女性が密着した2ショットもある。
― もしかして…彼女?それか、ほかにもいい感じの人がいたんだ。えっ、私って、キープだったってこと?
彼が私と連絡を取らなくなったのは、本命の存在があったからなのだろう。
「一体いつから…?」「この人、彼女?」だなんて、聞ける立場でもない私は、ただソッとInstagramを閉じるのが精いっぱいだった。
本命以外の女性にする“既読スルー”に深い意味なんてない(裕也・29歳の場合)
会社の同僚が声をかけてくれた食事会。
そこで出会った寧々は、まわりの女性たちよりも控えめで、その場に馴染めていない感じがして気になった。
それに、彼女も僕と一緒でお酒はあまり飲めないたちらしい。だから、酔ったメンバーのなかで、唯一おとなしい寧々のとなりは居心地がよかった。
「寧々さんは、何系の料理が好きですか?」
「うーん、辛い料理かな!韓国料理とか、エスニック料理も好きです」
― あ、食事の好みも一緒だ!
こんなふうに、彼女とは共通点がいくつかあって、意気投合。よく見ると、長いまつ毛と黒くて大きな瞳が魅力的な子だったし、LINEを交換して、定期的に食事に行ったりするような関係になった。
しかし、僕には、もう1人親しくしている佐英子という女性がいた。彼女とは、寧々と出会ったのとほぼ同時期に、別の食事会で知り合った。
お酒は飲むし、ファッションも華やかだし、言いたいことは我慢しない佐英子。会うと楽しいのだけれど、LINEはあっさりしているから、逆に普段なにをしているのか気になって、僕のほうから連絡したくなってしまう。
そんな彼女に、強く惹かれるようになっていった。佐英子が本命、こう思ったらもう、寧々からのLINEに返事をすることが少なくなるのは当然。
ちょうどそのころ。
寧々:裕也くん、熱が出ちゃった…。ベッドから動けなくてツラいよ。
寧々から体調不良を訴えられたのだけれど、僕はこの日、佐英子たちとバーベキューにきていた。
― かわいそうだけど、僕がしてあげられることはないかな。
もし、寧々が本命だったら、一目散に差し入れを持って行ったと思うけれど、残念ながらそうではないのだ。僕は、寧々の存在をすっかり忘れて、そのあとも佐英子たちと楽しい時間を過ごした。
それから、数日。
既読スルーをしたままになっていた寧々から、またLINEが送られてきた。
このときの僕はというと、佐英子にいつ交際を申し込もうかとタイミングを見計らう段階まできていたから、寧々への返事は正直かなり適当だったと思う。
もし、寧々の誘いに乗って、食事に行くことになるとしたら、それは佐英子に振られてしまったときだろう。
▶他にも:友達と男女の関係になってしまった…。翌朝、気まずい空気が流れるなか、女が放った一言とは
▶NEXT:8月10日 水曜更新予定
3週間に1回、定期的に連絡してくるけれど、距離を縮めてこない男が考えていることとは?
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