薫子の愛は、重すぎる Vol.8

「ちょっと用事が…」と、週末に会えない理由をごまかす彼。“何かを隠してる”と確信した女は…

愛とは、与えるもの。

でも、与えすぎる愛は時に、相手を押しつぶしてしまうことがある。

愛情豊かなお嬢様・薫子(26)は、そんな“重すぎる愛”の持ち主。

「適度な愛の重さ」の正解とは……?

その問いに答えを見いだすべく、改めて恋愛と向き合った女の、奮闘物語である。

▶前回:早く結婚して子供が欲しいけれど…。27歳女が、彼に本心を打ち明けられない深いワケとは?


「薫子、本当に送らなくて大丈夫?」

「うん、大丈夫。タクシー乗ったらすぐだし。また時間できたら連絡してね」

「わかった。電話するよ」

水曜22時の白金、四の橋交差点。

薫子はタクシーに乗り込むと、明るい笑顔を浮かべて、窓越しの純一郎に手を振った。

タクシーは、明治通りを渋谷方面へと向かって走り出す。

窓から見える純一郎の姿がどんどん小さくなり、やがて見えなくなると、薫子はようやく強張る笑顔をほどいて小さくため息をついた。

「純一郎さんの、バカ」

運転席にも聞こえないほどの小さな声でそうつぶやいたものの、すぐに心の中で自分自身に反論する。

― ううん、バカなのは私だよね。純一郎さんはなんにも悪くない。

暗澹とした気持ちが、薫子の胸に重くのしかかる。

その重さに耐えかねてズルズルと座席に深くもたれながら、薫子は今夜のデートで目撃してしまった、純一郎の奇妙な態度を思い返していた。

この記事へのコメント

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No Name
食事会に純一郎さんが来るオチかと思って読んでた
2022/06/21 06:1799+返信2件
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恋愛以外にも嬉しい事ってあるんだなって、薫子今までどんな人生を歩んで来たの?
2022/06/21 05:1260返信2件
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薫子のイメージがあまり良くないから、仕事ができる風に描いて好感度アップ作戦?
今更遅いような…😆
2022/06/21 05:1442返信4件
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重い女と思われる行動をしないよう気をつければいいだけなのに、正反対の経験豊富な大人の女性を演じるから、ストレスばっかり溜まるんだと思う。 イライラして純一郎宛に書いたメッセージを自分に送るとか、かなり精神的にヤバそう😭
2022/06/21 05:5130返信3件
No Name
週末に続けて会えないとか、もう純一郎にとって薫子はkeep程度の優先順位になってしまったのかもね。コソコソ連絡してる様子も怪しいし。
でも、お互い依存せず縛られない関係でいようとか、おかしな条件つけたのは薫子だから。
2022/06/21 06:2117返信2件
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