2021.12.21
SPECIAL TALK Vol.87令和のニューリーダーたちへ
かつて、日本の家づくりに欠かせない存在だった左官職人。
しかし、住宅環境の変化やスピードが求められる時代にあって、職人の数は減少を続けている。
一方で、国内のみならず海外で活躍する職人も存在する。祖父から続く左官職人の3代目、久住有生氏もそのひとりだ。
幼い頃より父から技術を叩き込まれたものの、左官職人になるつもりは一切なかった。
そんな久住氏がなぜ左官を仕事に選んだのか。そして、仕事をしていくなかで気づかされた、ほかにはない日本文化の特徴とは。
今、職人離れの危機が叫ばれる日本社会で、失われつつある価値観に光を当てる。
金丸:本日は左官職人の久住有生さんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。
久住:こちらこそ、お招きいただき光栄です。
金丸:今日の対談の舞台は、恵比寿の『ピーター・ルーガー・ステーキハウス東京』です。ニューヨーク発祥のステーキの名店が、今年10月に初めての海外出店。“ピーター・ルーガー”というと熟成肉が知られていますが、本店と変わらない手法で、4週間以上かけて熟成したステーキをいただけるそうです。
久住:肉が好きなので、料理もとても楽しみです。
金丸:さて、久住さんは日本の伝統である左官の職人として、国内だけでなく海外でも活躍されています。海外で人気の和食をはじめ「日本文化はまるごと輸出できる」というのが私の持論なのですが、そうなると、久住さんの出番はますます増えていくのではないかと。
久住:実は、最近はシンプルな「和」を求められる仕事はほとんどありません。海外の鮨店から壁を塗ってほしいと依頼されることもありますが、一方で、塗った壁の一部を額装してアートフェアに出展することもあり、アートの代わりというか、むしろデザインしたものを求められることが多くなっています。
金丸:コロナ禍、さまざまな業種・業態が影響を受けていますが、左官業にも影響はありましたか?
久住:ありました。ひとつは、海外への渡航ができないことから、現場作業が止まってしまいました。なので、新しい活動として、地元の土や地域の人たちと関わるワークショップのようなこともやっていきたいですね。僕はその土地の土を使うのが一番だと思っているので。
金丸:たしかに、土は世界中のどこにでもありますからね。
久住:もうひとつは、現場で密集した作業がやりづらくなりました。この影響は大きいですね。僕らは大きな壁を塗るときでも密集して作業します。というのも、左官の仕事は誰かがある工程をやったあと、時間を置かずにすぐほかの誰かが次の工程をやる、という流れがすごく大事で。
金丸:その積み重ねで、壁が出来上がるんですね。
久住:だから仕上げ方を変えたり、作業のやり方を変えたりと工夫が必要でした。
金丸:コロナの影響で、モノの見方や価値観に変化があったように思います。家やアート、文化について忘れられつつあったものが見直され、これまでにない新しい価値観も生まれています。今日は久住さんの生い立ちからこれまでの歩みだけでなく、左官という仕事を通じて感じていらっしゃることを、じっくり伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
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