2022.01.02
土日に会えない男 Vol.17女は、会っている時間に愛を育み、男は、会えない時間に愛を育てる…!?
平日は全力で働き、週末は恋人と甘い時間を過ごす。
それが東京で生きる女たちの姿だろう。
でも恋人と、“週末”に会えないとわかると、「いったい何をしているの?」と疑心暗鬼になる女たち。
これは、土日に会えない男と、そんな男に恋した女のストーリー。
2022年も頑張りましょう。昨年2021年のヒット小説総集編、「土日に会えない男」一挙に全話おさらい!
第1話:「既読にすらならない…」急に音信不通になる男に恋した、28歳女の苦悩
「海斗さんって、土日は何してるんですか?」
初対面の相手へのありきたりな質問。でも、返ってきた答えは意外なもので、笹本美加(28)は興味をそそられた。
「土日は…ほとんど仕事をしてますね」
はにかんだ笑顔で釘宮海斗が言う。二人がグラス片手に立っているテラスに、心地良い夜風が吹いた。
「あれ?海斗さんのお仕事って…」
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第2話:「信用できると思ったのに…」初めてお泊りした2日後、急に音信不通になる男の本性
『LINEに気がつかなくてゴメンナサイ。電話できるタイミングありますか?』
― いまさら、なによ。
最初に感じたのは「憤り」。でも、次の瞬間「生きてて良かった」と美加は安堵した。夜になって仕事が落ち着くと、美加は海斗と電話した。
「月曜の朝が、脚本提出の締め切りだったんです。締め切り前は、あらゆる連絡を断ち切って執筆に集中するので…」
要約すると、海斗はそんな“言い訳”をした。
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第3話:「信じられない…」週末になると音信不通になる32歳男が、青山でコッソリしていた意外なこと
美加と出会ってから1度目の“土日”は、いつものように外界の連絡を遮断して執筆に没頭してしまった。その結果、美加のLINEを無視することになった。
週明けに、その事実に気づいた海斗は、焦って美加に連絡した。彼女に謝罪し、連絡できなかった理由を丁寧に説明したのだ。
そして、2度目の“土日”を一緒に過ごそうと提案すると、美加は、快諾してくれた。
これで万事うまくいった、と思っていたのだが、その直後、海斗はふたたび大失態を起こしたことに気づく。
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第4話:「男って、やっぱり…」お泊りする関係だった男と5年ぶりに再会し、28歳女が悟ったこと
『明日の夜は、予定があります。ごめんなさい。』
嘘はついてない。明日、火曜の夜には本当に用事があった。
実は一昨日の土曜、暇つぶしの読書をするため足を運んだカフェで、旧知の男性と偶然再会した。その彼と、ゴハンにいく約束をしているのだ。
男の名は、越野智也。新入社員時代、会社の同期に呼ばれて参加した飲み会で出会った外資系の金融マン。
彼とは、何度か夜を過ごしたことがあるが、付き合うこともなく自然消滅していた。
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第5話:甘い夜を過ごしたあと、ベッドを抜け出した男。女に内緒でしていた信じられないコト
「海斗さんにとって、私って何なんですか!?」
金曜の22時過ぎ。連絡もなく突然、美加が家を訪ねてきた。ドアを開けるなり発した美加の言葉に、海斗は心の底から戸惑う。
「美加さん、酔っ払ってるの?」
落ち着かせたくて海斗はそう言ったが、どうやら地雷だったらしい。美加の声がさらに大きくなった。
「酔っ払ってません!ノンアルです!ノンアルでうな重を食べてきました!特上うな重です!」
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第6話:「女って面倒くさい…」彼女の前では絶対に言わない、仕事が忙しい男の本音
「将樹も言ってやってよ!そんな男、やめときなって!」
「そうだね……やめといたほうがいいかもね」と将樹は笑ってみせた。
美加の目に、将樹のその笑い方は“苦笑い”に見えた。まもなく会話の主導権は日菜子が握り、最近の将樹とのデート――つまりノロケ――に話題が移ったため、それ以上詳しい話は聞けなくなった。
だが、美加は、将樹が海斗について何か言いたいことがあるに違いないと感じていた。
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第7話:「ありえない…」彼の家で元カノと鉢合わせ!?その女から告げられた、衝撃の真実
「話は海斗から聞いてるよ。美加ちゃんでしょ?よろしくねー」
「…お友達ですか?」
ユウにハグされたまま、美加は視線を海斗に向けて尋ねる。海斗は思わず言葉に詰まった。するとユウが代わりに答えた。
「元カノ。私たち、付き合ってたの」
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第8話:「仕事が多忙で…」と本命女にLINEした男が、南青山で別の女としていたコト
― 海斗さん、“今は”まだ付き合えないっていう意味、わかってるのかな?
美加は、先週、アプリ開発チームのプロジェクトリーダーに任命された。先輩である沙希から独り立ちして、最初の仕事だ。だから、今は仕事に集中したかった。
仕事が落ち着くまでは、海斗との関係は“現状維持”でいいと考えている。
それにこの1ヶ月間、美加は心も体も、海斗に散々振り回された。だから、美加も少しくらいワガママを言っても許されるだろう、という気持ちもあった。
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第9話:「LINEだと履歴が残るから…」2年半の秘密の関係を清算するため、女がとった最低な行動
海斗はスマホを手に取ると“あの人”に電話をかける。
かつて“あの人”に「LINEとかメールだと会話内容が残っちゃうから、私に連絡するときは電話にして」と言われてから、ずっとそれを守っている。
呼び出し音が鳴ると“あの人”はすぐに出た。海斗は心を落ち着かせて、電話越しに語りかける。
「もしもし、沙希さんですか。もう一度お会いして、話したいんです」
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第10話:「3人で会わない?」今カノに会いたがる元カノ30歳。その恐怖の理由と企み
― 信じられない…。昨日、あんなことがあったのに、どうして普通にしていられるの…!?
美加は避難するように人目につきにくいミーティングブースへ行き、ノートPCを広げた。
― なんで私が逃げないといけないの…?これじゃ私が悪いことしたみたいじゃない…。
何度も自問する。が、美加はどうしても、沙希の前に堂々と姿をみせることができなかった。日曜日の一件があってもなお平然としている沙希に、恐怖を覚えていたのだ。
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第11話:港区で開催された禁断の“ホムパ”。訪れたカップルが絶句した衝撃の出来事
『明日からの土日も、三人で会わない?』
昨夜、海斗と美加のもとへ同時に届いた、沙希からのLINE。
どれだけシミュレーションしても、彼女が何を言ってくるのか、何をしでかすのか想像もできない。
海斗も、美加も、返信できないまま今朝を迎えると、追いつめるようにLINEが再び届く。
『返事がないけど既読はついてるからOKってことよね。日曜の昼、私の家で待ってます』
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第12話:「最初は、積極的だったのに…」出会ってから1ヶ月半後、32歳男の態度が急変したワケ
『今夜も仕事なの?』
『しばらく執筆は休めるから、仕事じゃないよ』
― 仕事じゃない?しばらく執筆は休める?
美加は、そのフレーズに混乱する。脚本家である海斗は、締め切りの都合で週末に仕事をすることが多く、『土日に会えない男』だということは、理解している。
― 今日は、土日でもないし、仕事でもない。なのに会えないって、どういうこと?
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第13話:「彼氏以外の男性と…」マジメに生きてきた女性の、人生が変わった夜
「そうか、付き合えないと伝えちゃったかぁ…」
「はい、伝えました…。そしたら美加さんは、やっぱり悲しそうで、ろくに話もしないまま家を飛び出して…」
そこまで言うと、海斗は今自分が置かれた状況に混乱しながらも、話を続ける。
「でもなんで僕は、あなたに…こんなことを話してるんですかね」
海斗の目の前にいる孝介が笑った。なぜ沙希の恋人である孝介と海斗が、一緒にいるかというと…。
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第14話:「昼デートじゃ満足できない…」28歳女が週末のお泊りデートを望むワケ
『昨日の話、海斗さんはどう思った?』
ベッドで寝そべりながらLINEを下書きする。
孝介から聞いた話は、美加には到底理解できないものだったが、この際、何でもいい。理由をつけて海斗と会いたかった。話したかった。
― でも私は、たった3日前にフラれた身だから…。
寸前のところで送信をためらってしまう。葛藤を続けていると唐突に海斗からLINEが入り、文字どおりベッドから飛び起きた。
第14話の続きはこちら
第15話:週末デートで彼氏の家に行っても、28歳女がお泊りしない意外なワケ
「最初は海斗さんの家で会うつもりだったんですけど…。今さらなんですけど、私たちカレシ・カノジョになったわけじゃないし…家に上がるのはどうかなって。駅に着いてから思ったんです」
美加の言葉に海斗は悲観した。正式に付き合いたいと伝えたことに対する、美加なりの返答に思えたからだ。落胆を隠して、努めて明るく海斗は言う。
「じゃ、スニーカーを買って履き替えてから散歩する?このあたりに靴屋さんってあったっけなぁ?」
「いえ、ここでいいです。散歩もやめましょう」
「えっ?」
「『付き合いたい』って海斗さんが言ってくれたけど、その答えを今ここで言います」
第15話の続きはこちら
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Vol.15
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