盛りラブ Vol.5

待望のイケメンと初デート!完璧なプランに女が失望した“ひとつの理由”とは

「相手にとって完璧な人」でありたい―。

恋をすると、本当の姿をつい隠してしまうことはありませんか。

もっと好かれようとして、自分のスペックを盛ったことはありませんか。

これは、恋するあまり理想の恋人を演じてしまう“背伸び恋愛”の物語。

◆これまでのあらすじ

伊勢志摩で暮らしている理想の男・瑛太に恋をした芹奈。東京からリモートでアプローチをかけること約1ヶ月。ついに瑛太が東京へ来ることになり、リアルの場で初デートをすることになった。

▶前回:「リアルで会うのはまだ怖い」ズボラを隠して嘘をついた女。そこでとったある行動とは?


「え…」

瑛太を目にした芹奈は、心の中で思いっきり叫んでいた。

― 本当にどタイプなんですけど…!

Instagramの写真やZoomの映像を通して、素敵な男性だということは十分わかっていた。

しかし、実際に見る瑛太はリモートでは感じ取れなかった背の高さやスタイルの良さが一目瞭然なので、眩しいくらいに輝いて見える。

「ん?」

硬直したままの芹奈の様子を不思議に思い、瑛太は首をかしげた。マスクをしていても、彼が優しく微笑んでいることが芹奈にはわかる。

「せ、芹奈です。初めまして…になるんですかね?」

芹奈が焦った口調で言うと、瑛太は「そっか」と笑った。

「初めましてになるのか。リモートでずっとやり取りしてたから、そんな感じしないな」

目尻を下げながら「行きますか」と歩き出す瑛太。彼の爽やかな柑橘の香りが、ふわっと芹奈の鼻をかすめる。

― あーなんだこれ。すっごいドキドキする…。

瑛太とはZoomや電話で何度もじっくり話をしたし、ここ1ヶ月はLINEで毎日数往復のやりとりもしていた。

お互いのことはすでにたくさん知っているが、初対面ならではの緊張も感じる。今までになかった不思議な感覚だと芹奈は思った。

「いい天気だね」

「ね。晴れて良かった」

たわいない天気の話をしながら、芹奈の気持ちは高ぶっていく。

“どうしてもこの人を手に入れたい”、そんな気持ちがこみあげてくるのだ。

「ここだね」

瑛太は、ある建物の前で足を止めた。

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