盛りラブ Vol.4

「リアルで会うのはまだ怖い」ズボラを隠して嘘をついた女。そこでとったある行動とは?

「相手にとって完璧な人」でありたい—。

恋をすると、本当の姿をつい隠してしまうことはありませんか。

もっと好かれようとして、自分のスペックを盛ったことはありませんか。

これは、恋するあまり理想の恋人を演じてしまう“背伸び恋愛”の物語。

◆これまでのあらすじ

芹奈はズボラな性格を隠して、伊勢志摩でワーケーションする理想の男・瑛太にリモートでアプローチする。一方で瑛太も実は女性をリードするのが大の苦手で、受動的な性格であることを隠していた。

▶前回:モテるのに彼女いない歴5年。29歳ハイスペ男が女にいつも逃げられる理由とは


― この教室なら、私でも参加できるかも。

芹奈は床で横になりながら、初心者向けの料理教室を探していた。瑛太に料理ができると言ってしまったので、できないことがバレる前に、練習しておこうと思ったのだ。

そこで目に留まったのが、広尾にあるアットホームな料理教室のホームページ。メニューの一例として掲載されている料理の写真は、どれも家庭的なのにどこかあか抜けている。

― よし。申し込んでみよう。

赤い四角で囲まれた『参加申込』のボタンを押して、申し込みフォームに必要事項を記入しながら、心が華やいだ。

― これで、瑛太さんの理想に近づけるはず!

“彼氏には、ありのままの自分を受け入れてほしい”

芹奈はずっとそう思っていた。

にもかかわらず、これまで自分を変える努力もせずに愛されようしていたことが、今となっては怠慢の極みであるように思える。

思い返せば芹奈の周囲の子たちはよく、好きな人に寄せてインドア派からアウトドア派に変わったり、服装のテイストを大きく変えたりしていた。

芹奈はそんな彼女たちを見ていつも思っていた。

― 偉いな…。私は、誰かのために自分を変えようだなんて思えない…。

しかし、今なら彼女たちに心から共感できる。

【申込が完了しました】

画面に表示されたその文字に、芹奈は早くも達成感を覚えたのだった。

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