ドクターKの憂鬱 Vol.3

「銀座は楽しいけど、ほどほどにしろ」友人の忠告を受けても、34歳医師は想いびとを諦められず…

憂鬱(ゆううつ)―。

まるで曇り空のように、気持ちが塞ぎ込んでしまうこと。

失恋を経験した人だったら、少なからず経験したことがある感情だろう。

”ドクターK”と呼ばれる男も、ある失恋をきっかけに、憂鬱な日々を過ごしていた。

彼はかつて、医者という社会的地位も良い家柄も、すべてを忘れて恋に溺れた。

恵まれた男を未だに憂鬱にさせる、叶わなかった恋とは一体―?

◆これまでのあらすじ

先輩の結婚を祝う食事会で、愛子と再開する。食事の途中彼女の姿が見えず、気になった影山は探しに行く。愛子を見つけた影山は、予想外過ぎる彼女の身の上を知ることになり…


▶前回:もう恋はしないと決めているのに…34歳医師が惹かれていく、年上女性の魅力とは


結婚を控える先輩医師の、お祝いを兼ねた食事会から2週間後。

午後の外来を終えた僕は、16時頃になってやっと食事にありつくことができた。

院内のコンビニでサンドイッチを買い、レジ横のコーヒー抽出機にカップを置く。

おとといは夜勤、昨日はレポートをまとめていて寝たのは朝方だった。気を緩めれば、あくびばかり出てくる。

「影山おつかれー!寝不足?」

背後から、カップ麺を手にした明石が声をかけてきた。

「おー明石、おつかれ。ちょっと最近、忙しくて。落ち着いたら、銀座に飲みに行かない?」

僕の誘いに、彼は即座に反応する。

「えっ?今、銀座って言った?」

僕の口から銀座という言葉が出てくるのは、付き合いの長い明石からしても、相当意外らしい。

「さてはお前、食事会のあと愛子ママと何かあっただろ。今週金曜日でよければ、付き合うよ」

明石はニヤニヤしながら答えた。

「ほんとに、明石が想像しているようなことは、断じてないから!」

からかう彼を制止するように、僕は言う。

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