恋は焦りすぎると、上手くいかないもの。
だから、じっくり時間をかけて相手を知っていくべきなのだ。
結婚に焦り様々な出会いと別れを繰り返す、丸の内OL・萌。
“カルボナーラ”をきっかけに失恋した女は、恋も料理の腕前も上達していく…?
2019年5月
「ねえ絵美さん。見てくださいよ、これ!」
社員食堂でランチをとっていた川村萌は、スマホのカメラロールを先輩に向かって見せる。するとパスタを食べていた絵美が、手を止めて画面を覗き込んできた。
「…これ、萌が作ったの?すごいね」
写真には、美味しそうな煮込みハンバーグとコンソメスープが並んでいる。
「でしょう?料理教室の体験授業で作ったんです」
「そっか、やっぱり通うことにしたんだね。これで家庭的な女への第一歩じゃん」
「これからもっと頑張って、どんな料理も上手く作れるようになります!それで雅紀を見返してやるんですよ」
この春で社会人3年目を迎えた萌は「27歳までに結婚する」という目標を立てていた。それなのに1ヶ月ほど前、彼氏から振られてしまったのだ。
理由は「見栄っ張りで嘘をつくような女は無理」という、辛辣なもの。
実は萌は、半年ほど付き合っていた雅紀に“ある嘘”をついていたのだった…。
この記事へのコメント
全くできないのに嘘つくから…